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ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


by hiroi22

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私のストリップ体験

 エキサイトのニュースをでは,何とかと言う元グラビアアイドルが,浅草のロック座というストリップ劇場に出演するのしないのということが話題になっている.元グラビアアイドルには全く興味がないが,このニュースを見て,はるか昔の立った一度の体験を思い出してしまった.
 若いまだ駆け出しの頃東京に出張があった.その日は,夕方以降全く予定が入っていなかったので一人浅草に出かけた.当時井上ひさしの小説を愛読していたので,彼が若い頃アルバイトをしていたという「フランス座」というストリップ劇場を見てみたかったのだ.ただし場所などを調べず,浅草あたりにフラッと立ち寄った記憶がある.それからの記憶はどうも曖昧なのだが,多分,フランス座を見つけられなかったように思う.ともかく「フランス座」ではなく「ロック座」の観客席にいた.
 世の男性諸氏が一体平均どの程度この手の場所に足を運ぶものか知らない.しかし,私にとってこれまでたった一度の体験はなかなか強烈な印象を残している.ただし,それは「ストリップ」という出し物自体ではない.
 観客席はほぼ満席だったと思う.舞台の中央が観客席に突き出して「特別な場所」になっている.「おお,これは井上ひさしの説明通りじゃ」と感激していたかどうかは定かではないが,私は後方,壁に近い所に座っていた.ところがそのそばで--3,4席離れていただろうか--しきりに野次を飛ばすお客がいた.ひょいと見てみると,とても変わった格好をしていた.一昔前の大学生の格好なのだ.黒い学生服,それも応援団風ではなくきちんとしたサイズの学生服を着て,古くさい感じの黒ブチの眼鏡をかけているのだ.年は若くはないが,8年ほど留年しています,とでも言い張れば通用するように見えた.その学生風の男がしきりに大声で野次を飛ばすのだ.酒に酔っているようでもない.野次の内容はもちろん覚えていないが,格段下品でもなく面白いものでもなかったように思う.つまりただ単にうるさいのだ.たった一人の人間の野次なのだが,もうそれだけで「何だかなあ〜」という雰囲気が充満してしまった.私は,この井上ひさしの学生時代に逆戻ったかのような古くさい格好をした「大学生」とその野次のおかげで完全に異次元体験モードに入ってしまっていた.
「珍しいもん見てしもたぁ〜」
しかし異次元体験はこれだけではなかった.
 その「大学生」が飽きもせずに野次を飛ばしていると,突然数名のお兄さんたちがやってきて,その「大学生」に殴る蹴るの暴行を始めた!!多分彼らは劇場関係者なんだろう.こんなはた迷惑な「大学生」は見捨ててはおけない,という訳だ.当の「大学生」といえば,まるで無抵抗で半泣き状態で,最後にお兄さんたちによって連れ出されてしまった.とまあ,こういったことが私の目の前で繰り広げられていたのであった.ひょいっと入った劇場で二つも珍しいものを見たのである.

 当時もそして今でも思うのは,「この大学生風の男の一連の出来事はハプニングじゃなく,劇場の“出し物”の一つじゃなかったのか?」あまりに古色然とした大学生&意味のない野次,その結果として当然のように起こったアトラクション.筋書きとしてはよく出来ている.観客席の中にもう一つ舞台を作ったのかもしれない.もはや確かめようもないことだが・・・

 それで,肝心のストリップに何を見たのかということなんだが,それについてはほとんど記憶はない.ただし,強烈に残っているのは,ある踊り子さんが驚くほど痩せていたということだ.そして化粧のせいか青白く.私には完全に病人に見えた.もともと,(自分が痩せっぽっちだったせいか)多少ふっくらした体つきの女性の方が好きだった.それも相まって,エロチシズムを感じるどころか,とても正視出来なかったことを覚えている.個人的に「こんな病人は,いくら何でも仕事を休まなあかんわ〜」と思ったのである.
by hiroi22 | 2009-06-07 18:59 | ずっと思う

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