人気ブログランキング | 話題のタグを見る


ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


by hiroi22

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

日本を信じたい

 NHKでゴールデンタイムで社会問題化している派遣労働者の首切り問題を議論していた。その後の午後9時のニュースでもこのことを真っ先に取り上げていた。小泉竹中「改革」で押し進められた派遣労働者の拡大は新たな貧困層“ワーキングプア”を作り出したと批判を浴びたが、今や“ワーキング”すら出来ない状態に多くの人々が陥っている。これはもう悲惨としか言いようがない。その一方で--これは今日偶然にも知人と話題にしたのだが--サービス残業で過労死さえしかねない人々がいる。いったい、この滑稽なまでの労働の状況は一体なんなのだ!?確実に言えるのはこの日本の資本家の労働者に対する非人間的な扱いである。これはまるで社会主義の揺籃期の19世紀の資本主義に逆戻りだ。またそれを許してきた政治も厳しく批判されるべきである。まるで歴史に学んでいない。「派遣労働者問題」は、今日の問題を招いた責任問題も含めてマスコミなどで厳しく批判してほしい。というのは、こういう状況を見てかつての公害問題を思い出すからだ。
 20世紀後半の日本の高度経済成長の負の遺産として「公害問題」が大きく影を落としたことがある。きっかけは「水俣病」などだが、今日の「派遣労働者問題」のように企業が利潤のみを追求した挙げ句、人々が周りを見渡してみると日本の自然、日本の環境は大変なことになっていた。四日市をはじめとする工場地帯の海、都会の空気は汚染され。「田子ノ浦に打出て見れば..」と和歌に歌われた富士が見える美しい海はヘドロで埋め尽くされていたのだ。唱歌「ふるさと」にある「山は青きふるさと、水は清きふるさと」などは今や「公害列島」日本から消え去りつつあると言われたのである。
 あれから何十年か経った今では「公害問題」は大きく改善された。川には清流が戻った。あの当時腐臭、それも化学薬品かなにかの強烈な臭いで満ちていた大阪の神崎川も見違えるような川になった。都会の空気もかなりよくなったと言えよう。企業では公害防止に多大の費用をついやしたことだろう。その結果として企業活動は停滞したか?そんなことはあるまい。そもそも人々が快適に暮らせない社会において企業も何もあったものではない。経済活動が人間生活より優先されるのは本末転倒である。当時この公害問題は市民やマスコミから厳しく批判された。国と企業活動の両方に対してである。マスコミによる公害キャンペーンはかなり執拗で力強いものだったと記憶している。
 現在、曲がりなりにでも当時の状況から大きく改善されたのは、企業側の努力はもちろんだがこの社会を動かしたマスコミや市民の側の強い批判によるところが大きいと思う。私は昨今の「派遣労働者問題」にもこのようなことを期待したい。理不尽なこと非人間的なことはわれわれの社会を良くするものでは決してない。それをマスコミ・市民の側から告発すべきなのだ。そうすることで公害問題の時のように国や企業が動き事態が良くなる、われわれの社会はまだそれだけの知性はあると信じたい。
by hiroi22 | 2008-12-16 00:21 | ずっと思う

ブログパーツ

  • →:次の記事へ
  • ←:前の記事へ
  • Home:このページの先頭へ
  • End:最後の記事へ

最新のトラックバック

リンク

タグ

(119)
(60)
(49)
(45)
(45)
(39)
(32)
(26)
(26)
(24)
(16)
(15)
(14)
(12)
(10)
(9)
(8)
(8)
(5)
(2)

ライフログ


青の時代 [PR]


オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える [PR]


風味絶佳 [PR]


Antonio Carlos Jobim's Finest Hour [PR]


セゴビアの芸術 [PR]

カテゴリ

全体
じっと思う
ずっと思う
Macintosh
iPhone

検索

以前の記事

2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
more...

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧