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ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


by hiroi22

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歴史修正主義者たちよ、恥を知れ

 安倍内閣はひどい内閣だった.その悪行の一つが高校の教科書検定で沖縄戦での住民の集団自決の軍の関与が削除されたことだ.これに抗議して,沖縄で大規模な集会が開かれた.
<沖縄>集団自決で検定意見撤回求め県民大会 11万人参加
 太平洋戦争末期の沖縄戦で起きた住民の集団自決を巡る文部科学省の教科書検定意見の撤回を求める沖縄県民大会が29日、宜野湾市の宜野湾海浜公園であり、約11万人(主催者発表)が参加した。超党派の大会としては、約8万5000人が参加した95年の少女暴行事件に抗議する大会を大幅に上回り、歴史認識を巡る沖縄と政府の対立軸が改めて鮮明になった。大会は旧日本軍の命令、強制、誘導などの表現が削除された教科書検定を厳しく批判。検定意見の撤回と集団自決を巡る強制性の記述回復を求める決議を採択した。
 従軍慰安婦問題も同根だが,被害者の声,歴史的事実から目を背けて都合のよい主張に歴史を改ざんする歴史修正主義者たち.沖縄の人達の声を聞き,自らを恥ずべきである.
 安倍前首相はこの検定意見について,当時こういう風に述べていた.
(2007/06/23 琉球新報)安倍晋三首相は23日午後、沖縄全戦没者追悼式出席後、記者団の質問に答え、沖縄戦の「集団自決」への軍関与を削除した文部科学省の教科書検定について「これは(文科省の)審議会が学術的観点から検討している」と述べ、検定の撤回は困難との認識をあらためて示唆した。
 ところが,この「美しい国」を標榜する人間は,こんなことを言いながら住民に対して後ろを向いて舌を出していたのだ.(↓)
[集団自決]軍の関与削除に「つくる会」関係者が関与
教科書改竄の「黒幕」(9月30日追記)
 「新しい歴史教科書・改訂版」(扶桑社)の監修者と同じ研究グループに属していた人物が日本史を担当した教科書調査官の一人だったのだ.とんだ「学術的観点からの検討」である.さすが歴史修正主義者安倍晋三でなければ出来ない言動といえる.

 結果的に,歴史修正主義者たちへの体制側からの批判となっている本がこれ,白州次郎「プリンシプルのない日本」という本.歴史修正主義者たちよ、恥を知れ_d0007533_22234243.jpg出張に出かける時に新幹線の中で読もうと思って買った本だ.タイトルが気に入った.
 著者の白洲次郎という人は戦後吉田茂の下で働き,そのあと東北電力の会長になった人である.彼の略歴を見れば分かるが,いわば体制側の人間であり,若くしてケンブリッジ大学に留学するなどエリートでもある.この本は戦後十年くらいの日本の政治・経済を中心とした社会情勢について,白洲次郎の忌憚のない意見が綴られている.その意見についてはここでは言及しない.同意できることもあるしそうでないこともある.しかし,この本を読んで面白いことは,戦前戦後の日本の雰囲気が分かる事だ.
 白洲次郎はこの本の中で,先の戦争は馬鹿げた戦であったと繰り返し述べている.また,アジア諸国での反日感情は強く,戦後の日本の人たちは「みんな,もう戦争はこりごりだ思っている」とも述べている.さらにこの本の中で彼が悲憤慷慨する戦後日本の惨状は,戦争中に外地で一部の日本人が行なった乱暴狼藉の罰なのかも知れないと書いている.
 彼が馬鹿な戦争と断定した太平洋戦争から60年経って「歴史修正主義者」と呼ばれる人達が目につくようになってきた.先の戦争は自衛のものであり,彼がひどいことを行なったと書いた旧日本軍は聖人君子の集団であったと彼らはいうのである.ゆえに犠牲者・被害者は本質的に存在せず,犠牲者・被害者と称するのは嘘つきであり,「反日」というのはいわれのな言いがかりに過ぎず,謝罪の必要なしと主張する.否,仮に不届きな行為があったとしても,それは「他でもやっていた」行為であり,日本軍に全く罪はない.犠牲者・被害者のことなぞは知らない,という論理を振りかざすのである.
 こういう人達の言動を見て白洲次郎はどう思うだろうか.彼らの歴史の歪曲ぶりに呆れる事は間違いない.白洲次郎は思いやりのある人である.犠牲者・被害者の痛みがわからない彼らに怒りをぶつけるかも知れない.また,一時的にせよ歴史修正主義者安倍晋三が内閣総理大臣に就任したことも恥ずべきことを思うことだろう.
by hiroi22 | 2007-09-29 22:47 | ずっと思う

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