ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


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テロとは何なのだ?

 ロンドンで大規模な旅客機爆破テロ計画が発覚し、多数の逮捕者が出たというニュースは驚いた。また、海外旅行を予定している身としては不気味な恐怖心にかられている。
 確かにこういうニュースを目にすると、アメリカが叫ぶ「テロとの戦い」という主張が説得力を持ってくるような気がする。しかし、改めて思うのは「テロとは何なのだ?」ということである。
 イラクなどでは現在も爆弾テロで毎日多くの犠牲者が出ている。一方イスラエルはヒズボラとの戦争で、毎日のように無差別爆撃を繰り返し、罪のない市民が犠牲になっている。そしてよく知られているように、アメリカはあからさまにイスラエルを支持・支援している。私の目にはどちらもやっていることは同じに見える。どうして一方は戦いの標的であり、片方は支持される対象になるのだ?きちんとオーダーされた軍隊による殺戮はテロではないのか?たとえそれを「テロ」とは呼ばなくても、それによってもたらされるのは、テロと同じく出口の見えない憎悪の連鎖だけだ。この連鎖を止めない限り、無意味な殺戮は続く。それはアメリカのイラクでの失敗を見ても明らかだろう。
 そんなことを思っている時にこんな記事を目にした。
<ギングリッチ前下院議長>「第三次世界大戦の様相」指摘
なかなか刺激的なタイトルである。中身はというと:
【デモイン(米アイオワ州)及川正也】08年米大統領選に共和党から出馬が取りざたされているニュート・ギングリッチ前米下院議長は12日、当地で外国人記者団と会見し、イラクでの対テロ戦争やレバノン情勢など世界の紛争について「第三次世界大戦の様相を呈している」と指摘、テロに対抗するため国際社会が結束する重要性を強調した。
 「イラクでの対テロ戦争」と「レバノン情勢」とをあげて、「テロに対抗するため国際社会が結束する重要性を強調した。」ということらしいが、この人は現在の「イラクでの対テロ戦争」と呼ぶものの原因を作ったのがアメリカであることをお忘れなのだろうか。また、「レバノン情勢」と呼ばれるものが「テロリストとの戦い」であるとの認識をお持ちなのか?つまり、ヒズボラがテロリストでイスラエルはそれと戦っており、「国際社会が結束」して支持すべきとでもいわんとしているだろうか。
 9.11以降、アメリカは憎悪による報復という政策を一貫して行なっている。それは自ら「テロリスト」と呼ぶ者たちと同じレールの上を進んでいることになるのだ。
 
 安倍晋三政権が誕生しようとしている。私は、この政権によって日本も「憎悪の連鎖」政策をとるようになるのではないかと危惧している。「憎悪」の対象は第一に北朝鮮である。そもそも、あまりパッとしなかった安倍晋三が注目を浴びたのは、拉致問題に対する北朝鮮への強硬姿勢を見せ始めてからだった。彼はこの効果を忘れないだろう。そして、韓国や中国に対しても同じことを狙うのではないのだろうか。中身を読んでいないので言いにくいが、文春の彼の記事のタイトル「闘う政治家」(←嫌なタイトルだ)というものに、おそらくはその意識が現れていると思う。
 一人一人の人間が、「国家」というフィルターを通して憎悪の感情を持つ。旗を振る政治家がそれによって支持を得る。そんな危ない日本にしたくはない。
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by hiroi22 | 2006-08-15 00:34 | ずっと思う

署名記事でさらす恥

 マスコミというのは一般に批判する側だが、署名記事となるとそうはいかない。下手な記事を書くと批判にさらされる。この典型が夕刊フジのこの記事;
オシム重圧アリアリ…参謀なし語録なしビジョンなし
物々しいタイトルである。そして、
 オシムを疑え! 日本代表・オシム監督を中心に、各世代の代表チームの「スタッフ会議」が24日、行われた。フル代表を含めた各世代の代表監督やコーチ陣、総勢13人が集合したが、具体的な目標などの発表がないまま、会議は踊りっぱなしだったという。一見、盛り上がった今回のスタッフ会議だが、その秘密はすべてがオシム監督のイエスマンで固められていた。救世主として期待の大きいオシム監督も、実は隠れた不安がいっぱいである。(夕刊フジ編集委員・久保武司)
と、勇ましい文章で始まるが、中身は噴飯ものである。まず、
「この会の内容を漏らすな、とオシム監督はスタッフに徹底していました」と全スタッフに箝口(かんこう)令まで敷いたという。オシム監督の「理論」に、もちろん反論するコーチ陣などいるはずがない。
と述べておいて、
 おしゃべり好きな五輪代表・反町康治監督や、元日本代表主将として抜擢(ばってき)された井原正巳コーチも、「すべて田嶋さんがお話しした通りです」と判で押したようなコメントばかり。集結した約40人の報道陣もこれには拍子抜けだ。
ときた。???何を言っているのか?「箝口(かんこう)令まで敷いた」というのなら、大したコメントがないのは当然で、どうして「集結した約40人の報道陣もこれには拍子抜けだ。」となるのか?しかも、後述するがこの記述自体が相当問題をはらんでいる。
 この部分はもっとひどい;
 そんなオシム監督が目指すサッカーは、「早いパス回しと敏捷(びんしょう)性…。そんなところでしょうか」と田嶋委員長は解説したが、W杯ドイツ大会を見る限り、惨敗したサッカー日本代表が劇的に変化することなどありえないことは、誰もがわかっている。これではジーコジャパンと相違がないではないか。
えらくテンションが上がっているが、どうして
”惨敗したサッカー日本代表が劇的に変化することなどありえないことは、誰もがわかっている。”
と決めつけるのか?その根拠は何か?それも明示しないで、
”これではジーコジャパンと相違がないではないか。”
と言ってもまったく意味がない。とてもじゃないが、お金を取って人様に読んでいただく文章とは言い難い。
 続いての文章もいい加減さを露呈している。
 オシム監督が、「まずは身長の高い選手を見つけたいが、日本ではそれは難しい」と、すでに白旗状態なのも見逃せない。
人の発言をねじ曲げて記事にする典型例である。この発言に該当する箇所を朝日新聞から引用しよう;
 もちろん厳しい現状は認識している。日本の長所にスピードを掲げる一方で「世界はさらにスピーディーなサッカーに進化している」。体格差についても「背の高い選手を探すのは難しい。仮に見つかったとしても、その選手が日本らしいサッカーをできるとは限らない」と語った。
世界の趨勢に鑑み、日本のサッカーの目指す方向を述べているときにでてきた言葉である。これのどこが「白旗状態」なのだろう。
 まだまだ口あんぐりが続く。
 ジーコ前監督もJリーグに入ることすら「99%無理だ」と言われた鹿島アントラーズを成功に導き、オシム監督も2部落ち寸前のジェフ千葉を立て直した実績で「日本代表監督」のポストを射止めた。
基本的なことだが、Jリーグ以前のことを言うなら、鹿島アントラーズではなくその前身の「住友金属」と言うべきだ。しかも、ジーコは1選手として住友金属でプレーしたのであって、監督としてジェフを立て直したオシム監督とは同列に議論できないだろう?
 そして最後は呆れた。
具体的なマニフェストを示さなかったことで、早くも報道陣の間からは、「本当に大丈夫か」のささやきが聞こえてきた。
はい?正気か?どこに「具体的なマニフェストを示す」サッカーの監督がいるのかね?しかも、この文章、直前のジーコ前監督との比較の文章との論理関係が判然としない。説明になっていないのである。
 このように、「無知」「非論理性」「放漫さ」のオンパレードで、しかも一つ一つの文章がてんでバラバラで全体としての統一性がない。さらに言えば、基本的な「取材力」も怪しい。これが上で述べた「問題」で、同じことを記事にしているスポーツニッポンのものと比べれば一目瞭然だ。「日本代表:オシム監督『代表を練習漬けに』」と題した記事では、このミーティングの内容が詳しく記されている。たとえば、
 ▼選考基準 フィジカル、メンタル、技術、戦術理解の4項目がポイントとなったが、指揮官は特にメンタル重視を強調。加藤GKコーチによれば「W杯に出た選手、出られなかった選手(のメンタル)を見ている」という。現在は「古い井戸」と評された中堅、ベテラン選手の精神面をチェック。「苦しい時にどういうプレーをするか」(大熊コーチ)を見極めている。
とあり、「箝口(かんこう)令のため大した話はコーチから聞けなかった。」と述べているこの記事とはエライ違いである。一体何を取材していたのかな?久保記者は。
 いくら夕刊フジとはいえ、つくづくひどい記事だ。しかし、唯一つ、こんなひどい記事を署名付きで載せるその「勇気」だけは評価してあげよう。
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by hiroi22 | 2006-07-27 01:21 | じっと思う

また出た、変な精神論

 高校野球ではわけの分からんことがまかり通っている。この記事も「なんだぁ?」の類である。
<高校野球>監督が故意の三振指示 秋田大会準決勝(毎日新聞)
 秋田市の秋田県立こまちスタジアムで22日に行われた第88回全国高校野球選手権秋田大会準決勝の本荘—秋田戦で、大量リードした本荘の尾留川徹監督が七回表、雨天ノーゲームを避けるために、打者に対して故意に三振するよう指示した。県高野連は同日、同校野球部に対しフェアプレーをするよう指導し、始末書提出を求めた。

 問題のプレーは、本荘が12—1とリードした七回表の攻撃中、1死二塁の場面で起こった。県高野連によると、尾留川監督が打者に三振するよう指示、打者は明らかなボール球を空振り三振した。県高野連は、本荘の野球部責任者を呼び「アンフェアなプレーがないように」と指導した。しかしその後、三塁に進んだ走者も本盗を狙ってタッチアウト。七回裏の秋田は無得点で、本荘は七回コールド勝ちした。

 県高野連は試合終了後、本荘に対して始末書提出を求めた。秋田の佐藤幸彦監督は試合後、「負ける以上の屈辱だ。最後まで正々堂々とやりたかった」と怒りをあらわにしていた。【岡田悟】
 12-1もの大量リードをしていた試合。しかし雨が降っていて、ノーゲームの可能性があった。勝っているチームの監督ならば早く試合を成立させたいと思うのは当然だ。勝敗のことはもちろんあるが、ぬかるんだグランドでの怪我や、疲労など健康管理面での心配もある。成立したんとたんコールド勝ちの試合ならなおさらだ。
 「アンフェアなプレー」というが、何が問題なのか?確かに、わざとらしい三振は見苦しいが、ルール上は自分たちに不利な行為なのだから、許容範囲だろう。「もう少しうまく演技しろ!」とヤジの一つでも飛ばせばすむ話だ。このように試合状況や相手にあわせてプレーをするのも作戦の一つだし、もしそれが悪いのならば、(強豪校がよくやるように)弱い相手に対して2軍・3軍をぶつけるというのも問題ではないのだろうか。始末書提出というが、まったく「不始末」でもなんでもない。県高野連の変な精神論で高校野球をコントロールするのはもうやめて欲しいものだ。
 「最後まで正々堂々とやりたかった」と相手の監督が言うが(言う方も言う方だ)、何が正々堂々でなかったのかさっぱりわからない。悪質なプレーの妨害があったわけでもあるまい。正々堂々と12点取ってコールド勝ちしたのだから立派。それよりも7回の表にどんどん点が入って、雨が強くなってノーゲームになる方がよっぽどアンフェアだ。「負ける以上の屈辱だ。」と言うほどくやしかったのなら、最後の7回の裏に猛反撃して、相手の思惑をひっくり返せばよい。それも出来ずに負けたのだから、力がなかったのである。それが勝負というもので、相手の監督を非難するとは、まったくお門違いと言うべきである。
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by hiroi22 | 2006-07-23 13:33 | じっと思う

私も亀田兄弟は嫌いです.しかし・・・

 生まれてこのかた,殴り合いの喧嘩なんぞはしたこともないし見たこともないのだけど,ボクシングは好きである.しかし,近頃人気(?)の亀田兄弟は嫌いである.プロなので多少のショーマンシップはやむを得ないとしても,礼儀,特に相手に対する態度が悪すぎる.見ていて不快である.もう少しスポーツマンらしい態度は出来ないのか.もっとも,それを許す周りの大人にも問題があるけれど.
 この亀田兄弟に対する具志堅用高氏の批判で揉めているという.
<ボクシング>協栄ジム会長が具志堅氏に反論 亀田3兄弟で
 何でも,毎日新聞に掲載された具志堅用高氏の亀田兄弟批判に,所属の協栄ジムと亀田兄弟の父親が怒りの会見をしたそうである.具志堅用高氏の批判の記事;闘論:亀田3兄弟ブーム 原功氏/具志堅用高氏によれば,
 亀田興毅君のここ何試合かは、内容は悪い。パンチできっちり倒したのではなく、相手が棄権したり、ローブローだったり、レフェリーが止めたり。ボクシングを普段見ない人は、KO(TKO)で勝ったら「強いのね」と思ってしまうけど、我々元ボクサーや現役選手で、彼を本当に強いと思っている人がどれだけいるだろうか。
また,
 弱い外国人とばかり対戦しているのに、日本や東洋太平洋のランキングに押し込んだ日本ボクシングコミッション(JBC)にも問題がある。日本選手と戦わず、本来のフライ級はWBA、WBC(世界ボクシング評議会)とも王者が強いこともあり、1階級下げて空位の王座決定戦に出る。金をかければ、そんなに簡単に世界挑戦できるのか。ボクシングの歴史から見たら、この現状は何だ。今度挑戦するWBAライトフライ級王座はかつて僕が持っていたタイトルだけど、彼と一緒にされたら困る。
と世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級2位、亀田興毅選手の実力・ランキングに疑問を呈している.具志堅氏の後半の批判は
 みんなに愛される選手になってほしい。今はチヤホヤされても、引退後はどうなるのか。会見や計量で相手をにらみつけたり、挑発するような言動は慎むべきだ。ボクシングは選手が命がけで戦う素晴らしいスポーツ。ボクサーはリングの外では紳士であるべきで、やっていいことと悪いことがある。協栄ジムは教育すべきだ。二男は試合後にリング上で歌うけど、僕がJBCにやめさせるよう求めたら「テレビ局の意向だから」。特別扱いせず、やめさせないといけない。
とあり,最初に書いたように,これは私の意見とも一致していて,その通りだと思う.これに対して,前半の彼の実力に対する見解は私とは異なる.
 冒頭に書いたように,私はボクシングは好きで長く見ている.しかし,亀田興毅選手のようなパフォーマンスは大嫌いなので,こういう選手は強くない,負けて欲しいというのが願望である.だから彼がデビュー当初,わけの分からないタイ人選手たちと戦って勝っても,うさんくさい目で見ていた.しかし,ここ数試合の内容を見て見方を変えた.亀田興毅の実力は認めざるを得ない.スピードとパンチの切れは申し分ないが,もっとも評価しているのはディフェンスだ.うまくヘッドスリップでパンチをかわすことが出来るのはトレーニングの賜物だろう.勝った相手も具志堅氏が言うような弱い相手では決してない.世界ランキング2位でタイトルマッチに挑む実力はあると見る.不安といえば,今まで圧勝の連続で,強い相手の強いパンチを浴びていないことか.そういうパンチを受けたり,顔面をカットした時に平常心でいられるかどうか.
 もっとも,世界戦ともなるとプレッシャーは並大抵なものではないだろうから,実力はあっても勝敗は未知数だ.しかし,何度も言うが,勝っても負けてもあの態度はいただけない.相手に対する思いやりがなければ真の強者とは言えないぞ.
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by hiroi22 | 2006-06-29 23:25 | ずっと思う

ポアンカレ予想

 今朝の朝日新聞の第2面の「時々刻々」というところに「ポアンカレ予想」解決の話が載っていた.「ポアンカレ予想」というのは「基本群が自明な(=単連結な)多様体はn次元球面に限る」という現代数学において未解決であった予想の一つだが,一般に有名なフェルマーの最終定理に比べると地味な印象は免れない.実際に,この予想の意味をわかりやすく一般向けに語るのは難しい.だから,朝日新聞の第2面にこれが掲載されていることにちょっと驚いたのだ.
 この予想は最近(と言ってももう1年以上になるのではないかな)ロシアのペルレマンが解決したということになっている.正確には彼が証明したのはサーストンの幾何予想(任意の3次元多様体はよく知られた基本ピースに分解できる)であり,ポアンカレ予想はその幾何予想から従うのだ.いずれにしても数学界では,ペルレマンの仕事は,ワイルズのフェルマーの最終定理の当初の証明のように疑念が生じているわけではなく,もう解決は既定の事実という認識であると思っていたのだが,朝日新聞の記事はまだそこまでは断定していない書きっぷりだったのもちょっと意外であった.
 普通に考えると,2次元よりも3次元空間,3次元よりも4次元空間と,次元が上がるほど難しいものなのだが,このポアンカレ予想に関しては5次元以上の場合に,もうずっと前に最初に予想が解けてしまい,その後4次元も解かれて,最後に3次元の場合が残っていたのだ(2次元の場合はもっと前から知られていた).どうして高次元の場合が先に解かれたのかは,専門家でないので分からないが,ちょっと数学の世界の不思議さを感じるところである.
 不思議といえば,同じく大予想の「リーマン予想」だが,これはリーマンのゼータ関数の零点の分布に関するもので,素数の分布の研究に関係している.リーマンのゼータ関数というのは複素数を変数とする解析関数である.不思議なのは,解析学という微分・積分を元にしている分野が,整数論という分野に応用できるということだ.やや専門的になるが,解析学というのは,デデキンドの切断による実数の連続性公理を出発点としている.しかし,整数論は「一つ,二つ」と数え上げるものを基本としているので,「連続性公理」のような「人為的」なものとは無縁と思える.逆に言えば,「人為的」に構成されている解析学が整数論の道具となりうるのが不思議なところである.
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by hiroi22 | 2006-05-04 00:55 | ずっと思う

むなしい失業率

 たとえば、将棋ではアマチュア三段よりプロの初段が断然強い。基準が違うもの同士は、その数字を比較できない。当然のことである。ところが、これが役所の発表のデータとか、ちょっとした権威を感じるものになると、簡単に騙されるようである。
3月の失業率、引き続き好調4.1%
 総務省が28日発表した3月の完全失業率(季節調整値)は、約8年ぶりの水準となった前月と同じ4.1%と、改善傾向が鮮明になってきた。これにより05年度平均は、前年度より0.3ポイント低い4.3%と3年連続で改善した。厚生労働省が同日発表した3月の有効求人倍率(同)も1.01倍と4カ月連続で1倍台。05年度の新規求人数は初めて1000万人を超え、過去最多となった。
もうずっと前から、失業率のニュース、特に外国のそれと比較したものを見る度ユーウツになってしまう。日本の失業率は実態を表していないからだ。このあたりの解説は完全失業率のミステリー(その1)完全失業率のミステリー(その2)を見て欲しいが、要するに
「完全失業者」というのは、(1)「仕事を持たず」,(2)「現に就業が可能で」,(3)「仕事を探していた」者 という3条件を満たさなければならない。

そして、日本の基準では、(1)の「仕事を持たず」とは、月末1週間(調査期間)内に1時間以上仕事をしないこと。(2)の「現に就業が可能で」とは職がみつかったら直ちに出勤できること(3)の「仕事を探していた」とはその週内に求職活動をしていたこと とされている。つまりこの条件に合う人というのは、まったくの無収入でも、エネルギッシュに求職活動をつづけることができる、恵まれた状態の人。そうした人だけが、政府のいう「完全失業者」になれるというわけだ。
つまり、
総務省の「完全失業率」にカウントされる「完全失業者」になるのはとっても難しいのだ。
一週間に1時間以上仕事をしたら、失業者にならないのである。呆れる。
 こんな数字を見る度に、日本は「大本営発表」の昔とちっとも変わっていないと思う。お上は都合の良い話しか公表しない。
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by hiroi22 | 2006-04-28 23:48 | ずっと思う

もの言わぬ人々

 桜の季節である。この綺麗な花を見ると日本は美しいと思う。しかし、この美しさとは裏腹に日本の実情はとんでもないように思える。
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 昨日の朝日新聞の朝刊に「分裂にっぽん(上)」という記事が載っていた。それを見ると今の日本国民の惨状が数字として浮かび上がってくる。この記事のデータによれば、2002年2月からの調査では、勤労者の可処分所得額、貯蓄残高ゼロ世帯数、生活保護世帯の割合、正社員・非正社員数、どれを取ってみても20〜15年前よりも悪化している(ただし、唯一改善されているデータがある、それは法人企業の経常利益だ)。もっといえば、貨幣価値の変動に左右されない貯蓄残高ゼロ世帯数、生活保護世帯数の割合は40年前よりも悪いのである(正社員・非正社員数は統計なし)。この記事の見出しは

“実感できない「好況」”

とあるが、確かにこの数字を見れば、この見出しも説得力を持つ。
 もうこの数字を見せつけられた段階で、3月24日の参議院予算委員会で小泉首相が「歴史始まって以来の豊かな社会だ」と述べていることが許せないのだが、記事の内容には怒りを通り越して暗澹たる気持ちになる。
 この記事では、低賃金で不安定なフリーターの多くが「人生を半ばあきらめたような感じ」であるという声を載せ、その非正社員数の増加は、労働法制の規制緩和という政策が原因だと指摘する。低賃金の非正社員を多様な職場で雇用できるようになった企業は、当然その恩恵を被る。しかし、企業が得た付加価値を賃金に回す割合はここ3年間下がり続けているという。つまり、儲けは労働者に還元されていないということだ。
 税制の面では、高所得者に対する所得税、住民税の税率は下がり、その他定率減税の廃止など、要するに「所得の再分配」という機能が大幅に後退している現状が述べられている。さらに株で得た利益の税率は10%で、預金利子の20%よりも低率であることを我々に喚起させている。つまり、庶民の貯金よりも株で儲けたお金が手厚い保護を受けているのだ。
 社会保障では、医療・年金で負担増、給付減が繰り返し行われてきている。これは前述の政策によって生み出された弱者を直撃する。
 いったい、この国は19世紀の原始資本主義の国なのかと思ってしまう。そんな気持ちに追い討ちをかけるのがこの話。
15年度に消費税率22% 財政審、長期試算を発表
 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は27日、歳出・歳入一体改革の議論の前提となる一般会計の長期試算を公表した。
 社会保障費などの歳出を削減せず、増税だけで財政を健全化するには、消費税率を現在の5%から2015年度には22%まで引き上げる必要があると指摘。逆に、増税せず歳出削減だけで財政再建を目指す場合は、15年度には26兆9000億円の歳出カットが必要と試算している。
 財政審は「歳入・歳出両面から改革を行う必要がある」と強調。「大幅な歳出削減を行うことは国民生活や国家の機能に大きな影響を及ぼす」として、消費税率の引き上げを含む増税が欠かせないとの考えを示した。
 昨年の郵政民営化選挙のアホさ加減に愛想をつかした自分としては、もうだから言わんこっちゃないとシニカルになってしまうのだけれど、この国に暮らしている限りこの状況からは逃げられないのだ。それと、このもの言わぬ国民を見ていると、ジョージ・オーウェルの「動物農場」の愚鈍な馬を思い出す。人間と手を組んだ豚に搾取される馬を。
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by hiroi22 | 2006-03-30 11:19 | じっと思う

怒り:はっきり言います。下品な記事です。

 先週の土曜日の朝日新聞の夕刊、トップに飛び込んできたのがこの記事。
外務省貯蔵の賓客用ワイン8千本 仏産偏愛 ボルドー中心、全体の9割
 この記事は1面の半分以上を割いて掲載されている。しかも、野嶋剛という記者による署名記事である。相当力の入った記事を予感させたが、読んでみて唖然、ボーゼン。この見出し以上の中身が無いのである。記事は言う; 
 目を引くのはフランス産への集中ぶりだ。その中でも、ワインの最高峰と言われるボルドーへの傾倒が際立つ。

 例えば97年度はラフィット・ロートシルトやムートン・ロートシルト、マルゴーなど5大シャトー(生産者)だけで計650万円分を買い集めた。
はあ、そうですか。
 なぜ、フランス、そしてボルドーなのか。
と、問いかけるも
 「赤白問わず一定の数量、水準を確保し、長期的な保存にも適して安定した在庫の確保に効率的という要請を満たすうえで、おのずと仏ワインが多くなっている。名前の通ったものを出すことで歓迎を示す意味がある」。これが外務省の説明だ。
とあるので、この外務省と同じような見解を持つワイン好きな友人を持つ身としては納得したのだが、この野嶋剛記者はそうではないのかしらん、と読んでみると、
 ■「指示しない」

 98年ごろ、当時の柳井俊二事務次官は、省内のワイン通を集めてワイン選定のための「ワイン委員会」をつくっていた。だが、現在、外務省は「ワインを選ぶのは飯倉公館が食事を外注する一流ホテルのソムリエ。特に仏産をという指示はしていない」。
という説明を続けるのみ。
 オイオイ、「(産地じゃなくて)品質本意で選んだ」と言っているのだから「指示しない」という返事が返ってくるのは当たり前だろう?何これ?外務省またはフランスワインの宣伝記事?それとも役に立たないワインうんちく記事かい?
 8000本という数に対しても、
 貯蔵本数については、05年11月、鈴木宗男衆院議員の質問主意書への政府答弁書で、約8000本が貯蔵されていることが明らかになり、「買いすぎ」かどうかが話題になった。これに対し、外務省は「単純比較はできないが、仏のエリゼ宮(大統領府)のワイン貯蔵数は3万本あるとされ、決して無駄に多いわけではない」とコメントする。
と外務省の説明を載せるだけ、批判もコメントも無い。
 ネット配信では掲載されていないが(ひょっとして本人から拒否されたか?)、夕刊の記事では、ソムリエの田崎真也氏の「幅広い価格帯からいいワインを的確に買い集めている印象だ。」というコメントを載せている。つまらない、外務省の提灯持ち記事かなと思えば、最後に
 高級ワインの一方で、廉価ワインも買っていた。98年度には1060円でスペイン産の「マルケス・デ・グリニョン」を480本。「お買い得ワイン」なのかもしれないが、本当に「賓客」用なのか。疑問がつきまとう。
 この終わり方は、私に言わせれば最低である。何が言いたいのか?「賓客」用じゃなくて「身内」用とでも言いたいのか?もちろんそうなら追及すべきだろう。
 この記者はそんな腹はあるまい。また、そんな情報も持ち合わせていないのだろう。ただ、単なる下司の勘ぐりをそれらしく書いたに過ぎないと断定する。要するに自分の確たる見識も無いまま記事を書いた、それもまったくまとまりのない記事を、としか言いようが無い。
 しかし、こんな記事を一面に持ってくる朝日新聞の編集委員も編集委員である。どうかしてる。
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by hiroi22 | 2006-01-16 22:30 | じっと思う

外務省はどちらを向いているのだろう

 1年半以上も前(04年5月)の在上海日本総領事館での出来事が、なぜか突然問題になっている事件だが、
中国政府声明の事実ない 外務省が職員自殺で反論
によれば、
 外務省は1日、在上海日本総領事館男性職員の自殺問題について、「日本側は職務の重圧のために自殺したと表明」したとの中国政府声明に対し、「日本側がそのような立場を表明したとの事実はない」と反論する文書を発表した。
さらに、
 文書は「日本政府として、中国政府に対し、事件発生直後から、事実関係の究明を求めるとともに、厳重な抗議を行っている」とし、「職務の重圧」との見方は取っていないことを指摘。
とある。どうも、えらい剣幕のように見える。しかし、これ、そんなに血相を変える問題か?私の理解では、もし日本側の抗議どおりの内容ならば、今回の事件は、
1.在上海日本総領事館男性職員が中国側の誘惑(?)に引っかかり、弱みを握られた。
2.その弱みにつけ込んで、彼に対して中国側から情報提供の要求があった。
3.彼が自殺した。
ということになる。亡くなった彼には悪いが、ただでさえ悪い日中関係をさらに悪化させても抗議するような問題だろうか。
 そもそも、大使館とか領事館とかは、その国の情報収集が大きな目的の一つではないのか。もっといえば、スパイ活動である。ならば、今回のような状況は日常茶飯事に起こりうることだろう。それとも、日本の外務省の職員の情報収集は全て公式ルートを通して行っているとでも言うのだろうか?そんなことはあるまい。したがって、もし今回の抗議を、額面通り真剣に行っているとすれば、国際社会の笑い者だろう。
 私は、外務省は今回の「抗議」は無意味であることはよく分かっていると思う。今回の行動は中国側に向けられているのではないのだ。それはこの記事の、
当初から「中国公安当局関係者による遺憾な行為」に対し毅然(きぜん)と対応してきたことを強調した。
からもうかがえる。今回の行動は、批判をかわすための国内向けのポーズと私は見る。「強調した」というメッセージは国内に向けて発せられたのだ。
 情報収集活動の現場から見れば、自殺した在上海日本総領事館男性職員の監督不行き届きが一番の問題だろう。当然、外務省の責任である。また、国内の対中批判派からの非難もある。これらを意識しての行動と思う。
 しかし、このような国内向けのポーズで外交問題を処理するのは愚の骨頂であろう。外交機密を盾にして、週刊文春の記事は黙殺するべきだったのだ。
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by hiroi22 | 2006-01-02 00:32 | じっと思う

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