ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


by hiroi22

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オシムファンは心境複雑

 サッカー日本代表がボスビア・ヘルツェゴビナに3ー0で大勝した。本来ならば手放しで喜ぶべきところであるが、オシムファンの僕としては正直“とても複雑な心境”.
 オシムサッカーは花開こうとしていた。特に、昨年のエジプト戦は本当に日本は強いなあと感嘆した。それゆえ、オシム前監督が倒れたことはショックだったし、その偉大な前任者のアクシデントの後を引き継いだ岡田監督の勇気と決断には敬意を表したい気持ちである。
 でもね、何だかわだかまりがあるんだよ。あれだけの大病を患ったオシム前監督には、もう代表監督という激務と責任を求めるのは酷ということはわかっていても、今日のテレビでの姿を見ると心騒ぐのである。そう、理屈では分かっているのだけれど心が岡田ジャパンにはなびかないのだ。チリ戦の失望感のせいもあるけど、オシムの言葉を知ってしまうと、岡田監督の言葉が胸に響かない。ラグビーで使われていた「接近・ナントカ」という言い回しにしても、どうも違和感がある。ラグビーとサッカーは違うという以前に、こういう観念的な言い回しは好かんのである、ワタクシ的には。
 オシム前監督が具体的な構想のもとに具体的な練習で選手を鍛えたのだけれど、今の日本代表はどうなんだろう。まあ、このような素人の雑念を吹き飛ばす成績を残してくれればそれに越したことはないのだけれど。
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by hiroi22 | 2008-01-31 00:39 | じっと思う

国立博物館にゆく

 先日、上野の国立博物館で開催されている「陽明文庫創立70周年記念特別展」を見に行った with 博学の美人。僕は情けないぐらい和歌も俳句も解さない無粋な人間なのだが、平安時代からの貴族のお宝をちりばめたこの特別展には唸ってしまった。展示品は、藤原鎌足から代々続く近衛家の陽明文庫から出展されたものだが、なにしろあの大化の改新の藤原鎌足である。僕にとってはほとんど神話上の人物といってよい名前だ。そこから代々続く家柄ということ自体驚きだが、その展示品がすばらしい。まさに中世のJapanese art。
 たとえば書。無粋な僕にはとてもじゃないが何が書いてるのか読めない。しかし、その美しさは観賞出来る。中国伝来の漢字と日本のひらがな、情報伝達の道具にしか過ぎないこれら文字だが、その美を極め尽くさんとする姿勢に日本の文化を感じる。
 例えば絵。精緻な描写と鮮やかな色使い。ほとんどが名もない絵師たちによるものだけに、技の広がり・底辺の大きさを感じる。そこに描かれている生き生きとした表現を目の当たりにすると、天才手塚治虫を生み、世界中を席巻する日本の漫画・アニメの隆盛も必然なのかなと納得してしまう。
 こういった芸術・文化は中世の貴族という極めて限られた富裕な人々によって形成されたものだが、それが今にたどり着いて日本社会の文化基盤になっているんだろう。

 僕は海外の博物館、美術館のいくつかに足を運んだことがある。大英博物館などは規模も大きく、世界中から見事な展示品が並んでいる。それはそれで平伏して「参りました!」と言う他はないのだが、この陽明文庫展のような純日本テイストの文化に絞った展覧会も味があるなあ、と博物館の学芸員顔負けの解説を聞かせてくれる同行の博学の美人の声を聞きながら思ってしまったのだ。
 しかし、この陽明文庫を持つ近衛家は藤原氏の末裔の名家。こういう家の子供が自分のクラスの生徒だったら歴史の先生は困ると思う。授業で「平安時代に藤原氏などの貴族が権勢を振るい、贅沢三昧の暮らしをしました。」なんて言いにくいもんなあ〜。
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by hiroi22 | 2008-01-27 16:25 | じっと思う

不信感のみ醸造される

 道路特定財源やガソリン税の暫定税率が問題になっている。これらの推進側の論理は、こういうものが廃止されると道路整備に支障をきたすというものだ。最近は環境問題を持ち出して、高いガソリン税は人々を車の運転から遠ざけて”環境にやさしい政策だ”という言説もなされている。しかし、これらの言い分には「ちょっと待て」と言いたい。
 道路を造るためにしか使えない税金で、それがなければ道路が造れないというのは変な話である。本当に必要な道路整備に税金をかけるのなら、他の事業と同様にそれ相応の根拠を出して、一般財源から支出すればよいのだ。何も道路整備だけを特別視する必要はない。環境問題に配慮して暫定税率を維持するというのも、それで集めた税金を環境破壊の一翼を担う車社会というものを促進する道路整備に使うというのなら、破綻したロジックだ。
 そもそも、暫定税率維持派、特定財源維持派に対して不信感がある。彼らの議論には「既得権益は死んでも放しません」という魂胆が見え隠れする。役人にとっては、自分たちが使える税金が減るのは耐えられないだろうし、族議員にとっては自らの特権が消滅する危機である。そのためにはどんな理由でも、もっともらしいことは何でも使うとしか感じられないのだ。
 最近「道路のためにしか使えない税金」で国土交通省が野球のグラブ代などレクリエーション費や公務員宿舎の建設費を支出していることが明らかになった。当初、国土交通省の幹部は、この支出は「問題ない」と説明していたが、結局道路特定財源からのこのような支出は「不適切」として、今後取りやめることにしたそうである。
 <国交省>道路特定財源で宿舎建設 野球用具や車購入も
 こういう態度も不信感を増幅させる。要するに、うるさいことを言われたのでやめますとしか映らない。この支出が問題ないと思っているのならば、それをきちんと説明することだ。また、不適切と考えるのならば、当然ほかの省庁におけるこの種の支出もすべて取りやめるべきだ。しかし、それは一切言及せず、またやらないのだ。国土交通省だけが泥をかぶって、たとえ土下座しようが、税金という身入りはビタ一文でも減らしたくないということなんだと思ってしまうのである。
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by hiroi22 | 2008-01-26 21:40 | じっと思う

ナマケモノも一気読み

 先日書いたように,ソフトウェアをアップグレードしたiPod Touchは便利である.特に今の時期は重宝する.寒い朝,ベッドに潜り込んだまま,メールのチェック,インターネット,今日の天気予報・スケジュールの確認などが出来るのだから.ベッドで布団にくるまりながらiPod Touchをくるくる操作している様は,よく考えると我ながらとんだナマケモノである.こんなナマケモノの僕でも,2日間で一気読みしてしまったのがこの本.
「戦争」に強くなる本(ちくま文庫)
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 この本の中身は,15年戦争(=アジア太平洋戦争)を理解するための参考文献を解説付きで紹介するという体裁をとっている.無論,単なる読書案内ではなく,著者の丁寧な議論による歴史と戦争に関する見解がちりばめられている.ここに紹介されている史実とともに,著者の見解がなかなか面白いし,説得力もある.著者は時おり茶目っ気も出して,いささかやけっぱち気味の言辞だが,「すぐ難しいことを言い出すのが左翼で,意味もなく騒ぐのが右翼」などというのには思わず笑ってしまった.
 僕も,15年戦争については人並みに本は読んできたつもりだ.この本に紹介されている事柄については,初めて知ったこともあるが,既知の事柄についても新しいデータで再確認させてもらったことも多い.例えば,先の戦争で亡くなった旧日本軍の犠牲者は230万人と言われているが,その中で実際に敵の攻撃や軍艦の沈没などで亡くなった数は100万人程度だということを知った.では,残り半分以上130万人はどうして亡くなったかと言うと,病死と餓死だというのだ.インパール作戦やガダルカナル島などでの旧日本軍の受験秀才参謀による愚かな作戦については認識していたつもりだが,このような数字を見せつけられるとその感をより深くする.初めて知ったことでは,零戦は製造工場で組み立てられた後,一度分解して牛車(!)で飛行場まで運ばれていったということだ.零戦についての読み物は一時熱心に読んだことがあるが,こんなことは知らなかった.どうして牛車で運ばねばならなかったかは,この本を読んで欲しいが,もともと工業力に雲泥の差があったアメリカ相手に,こんなことをしていては勝てんなあ・・・.
 この本は,上のように旧日本軍に対する強烈な批判だけでなく,戦前の日本の社会そのものの分析も鋭い.例えば,戦前の日本=ファシズムという図式は,ファシズムの起源から掘り起こして明確に否定しているし,東条英機に対しては,敗戦というものが彼によってもたらされたというよりも,「東條ごときがトップになれる,日本型無責任システム」という形で断罪しているのもユニークだ.むろん,彼の経歴や当時の軍の人事などを検証した上での論である. 
 「日本型無責任システム」という言葉もそうだが,この本で問題視されている多くのことが現代日本でも当てはまると思う.その意味から,この本は単なる歴史の解説書という以上のことが学べると思う.
 著者も指摘しているが,無知による粗雑な戦争論が横行している.そんな粗雑な漫画戦争論に毒されたお方にも読んで欲しい本だ.むろん,この本の主張に同意するしないは自由である.しかし反論するならばきちんと理由を述べることだ.何かを主張するにはその理由を必ず述べること(by Finlandの教育).

 最後に,自分の日記として,この本を買ったいきさつを書き留めておく.
 ここ数日の寒さに耐えかねて,ニットの帽子を買おうと決断した.そこで近くのショッピングセンターへ行って,いくつか試着したが,ニットの帽子をかぶった自分の情けない顔を見て購入を断念し,帽子なしで寒さに耐えることを決めた.しかし,せっかくここまで来たのだからと,近くの本屋をブラブラ.そういえばと,中学のときに図書館で見つけて夢中になった吉川英治の「三国志」でも買おうと思ったが,文庫本の第1巻が売り切れ.ならばと(どういうわけだか)瀬戸内寂聴訳の「源氏物語」に目がいった.さて,それを買うものかどうかと逍遙しているうちにこの本を見つけた.結果,源氏物語も買って,何だか180°違った文庫本を買うという奇妙な買い物になってしまった.
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by hiroi22 | 2008-01-22 00:19 | ずっと思う

意味のないアンケート

 また喧騒の受験シーズンがやってきた.今年は「ゆとり教育」を受けた高校生の本番とあって、そちらの方も気になるところらしい.
<センター試験>「ゆとり教育」世代、真剣…受験生に聞く(毎日新聞)
 子どもの学力・意欲の低下が問題となる中で19日、大学入試センター試験が始まった。今年の現役受験生は、02年に導入された「ゆとり教育」の下で、中高6年間を過ごした「元祖ゆとり世代」。「詰め込まずじっくり勉強できた」と評価する声がある一方、「学校の勉強を補うために塾に通い、ゆとりを実感できない」という生徒も少なくなかった。昨年問題となった合格実績水増しは、今年は自粛傾向になった。【まとめ・山本紀子】

 ◇「ゆとり教育」に対する受験生の声◇

(県名は試験会場のある都道府県名、大学名は志望大学。質問は(1)ゆとり教育をどう評価するか。中高での勉強は十分だったか(2)学習意欲はあるか(3)大学で何を勉強し、将来は何を目指すのか) (以下省略)

 この記事には,例によって突っ込ませていただく.つまらん質問である.最初の「ゆとり教育をどう評価するか.中高での勉強は十分だったか」なんて高校生の彼らに意味のある答えが出来るわけがない.彼らは世間が「ゆとり教育」と呼ぶものをずっと受けてきたのだ.この質問に正しく答えようとすれば、「非ゆとり教育」を知っていなければならない.彼らにとって無茶な注文だ.2番目の質問も意味がない.受験シーズンの今,一定レベルの生徒に「学習意欲」を聞けば,たいてい「ある」と答えるだろうよ.「ない」と答えるのは,ちょっとつむじ曲がりの生徒だろう.現代高校生のその「つむじ曲がり度」でも測るつもりか?
 毎日新聞が行った調査にしてはあまりに思慮の無いものだったと言わざるを得ず,これを記事にするとは編集部の企画力を疑う.

 私は今や学力至上主義で教育を評価することには反対だが,学力至上主義の観点からであったとして,今回の「ゆとり教育」の評価をするのであれば,東大や京大など有名校の合格者の現役と浪人の比率を見ることだと思う.一度きりしかチャンスはないが,そこで統計的な有意差が出れば,少しは学力面での評価が可能だろうね.
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by hiroi22 | 2008-01-20 13:33 | じっと思う

羨望と失望

 今年もMacintoshWORLDが開催された.今年の目玉はMacBook Air.
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でもね、この新機種はMacintoshのblog界ではイマイチ評判が悪いようである.確かに薄くてかっこいいけど,スペックが中途半端というのが主な理由だ.CPUが遅い,ハードディスクが少ない,USB端子が足りない,FireWireが無い等々.早くも売れ行きを心配する声まである.キーノートスピーチでのJobsの満足げな顔とは裏腹である.
 私は昨年11月にMacBookを買ってしまったので,このMacBook Airを買う予定は全くない.なので、この評判はどうでも良いと言えばそうなのだが,それでも気になるのがApple信者の性.上の指摘は至極もっともである.今までの約半分の重さ(1.3kg)なのだから,本来はもろ手を上げて歓迎すべきなのだが,どうも素直に喜べない.しかし,ではそんなに悪いかと言うとそうでもない.Windowsの軽量ノートと比べてまったく遜色はないと思う.おそらく、その程度ではMacintosh信者は満足しないのだろう.
 それよりも、実質的に今回役に立ったのはiPod Touchのソフトのアップグレードだ(有料がけしからんけど).Mail,Google Map,メモが使えるようになったのだ.Mailなどは無線LANでインターネット接続が出来る環境でないと役に立たないが,さいわい自宅内は大丈夫なので,トイレの中だろうがベッドの中だろうが,iPod Touchで気軽にメールやインターネットが出来てしまうのである.
 ということになると,外出先でも使いたいというのが人情というもの.しかし,Wi-Fi,特にフリーのスポットがないんだよね.有料のスポットにしても,場所が限られているにもかかわらず料金が高いしねぇ....こうなるとiPhoneに期待してしまう.iPhoneが使える欧米人が羨ましい.ケータイ鎖国ニッポンを実感する.しかし,2008年にはアジアでiPhoneを売り出す,という話はどうなったんだ!?>Jobs殿
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by hiroi22 | 2008-01-19 23:52 | Macintosh

福祉国家にクラクラ

 週間東洋経済1月12日号のcover story”格差なき成長は可能だ!「北欧」はここまでやる。”を読んだ.読みながら頭がクラクラしてきた.どこから感想を述べればよいのだろうか....高福祉社会に暮らすということは,かくも安心で人間らしい生活が出来るのかとただただ驚いてしまうばかりだ.とにかく順不同で中身を列挙してみる.
・子供の数に応じて住宅手当が支給される.2人目の子供がうまれた時に広い家に転居すれば住宅手当がもらえる.(スウェーデン)
・一人当たりのGDPは北欧4カ国は全て日本より上.最上位のノルウェーは日本の2倍近い.
・所得の再配分による格差解消.
・子育て,教育,医療に手厚い(北欧各国)
・高齢者の自立を基本にした,きめ細かいケア(スウェーデン)
・徹底した男女平等(北欧各国)
・北欧の労働者は残業をほとんどせず、夏期には1ヶ月の休暇を取る.

書き出したらきりがない.直接このcover storyを読んだ方が早い.福祉に関しては日本の現状からは「ケタはずれの厚遇」としか言いようがない.しかも経済的に大きく躍進しているのだ.そこに挙げられている統計数字を見るとため息が出る.
 確かに税金は高いだろう.しかし、それでよいではないか.それによってみんなが安心して働け、退職後の生活も保証され,そして自ら望めばふさわしい教育も受けられるのならば.
 欧米をキャッチアップすることに邁進してきた日本は,何のために働くのか,人間的な暮らしとは何か,そのことを今考えなければならないのではないかと思う.
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by hiroi22 | 2008-01-17 00:12 | ずっと思う

フィンランドかぁ...(3)

 昨日フィンランドの教育について,「自ら考える」ということを尊重していることを取り上げ,日本でもこの方向で「社会全体の知性を底上げするべき」と書いた.フィンランドのネタはこれで一区切りとしようと思っていたのだが、まったく偶然にも今朝の朝日新聞で「フィンランド」の活字が躍っていたので再び取り上げることにした.
 まず社説が目にとまった.そこでは,
希望社会への提言(11)—「アポロ13号」に教育を学ぶ
この社説では
・正解を急がず、競わせず、考える心を育てよう
・教育は投資、社会全体で知の劣化を食い止める

ということをフィンランドの教育をあげながら主張していた.つまり,昨日のblogと同じような内容である.
 ふむ、大朝日の社説と昨日私がNHKBSのTVを見て書いた内容とそうは違っていない.してみると、このblogもそう捨てたもんじゃないね,うふふ.とはいえ、やはり向こうの方がデータもはっきりしているし、明快じゃ.それはしょうがない.が,その内容について書き留めておこう.
 まず、日本の教育について,
 調査をしている経済協力開発機構(OECD)の事務総長は、日本にこんな警告を発した。「知識を再現する学習ばかり続けていると、労働市場に出た時に必要とされる力が身につかない」
という批判を紹介している.「知識を再現する学習ばかり」とはうまい表現だ.今日帰りがけに本屋に立ち寄って見つけた小柴博士の著書では,博士が東大の学部卒業生に向かって
「君たちは東大を卒業するのだから、受動的な学習に対しては適応していることは確かだが,将来必要となる能動的な学習に対する適応性は未知数だ.」といった趣旨の発言をしたことが紹介されていたが,これも同じ意味の警句だろう.日本がいろいろな分野でフロントランナーとしての立場が期待されている状況になっているとしたら,人の後追いしかならない「知識を再現する学習」だけでは済まされまい.
 以前あるところで「教育なんて強制」というコメントを目にして唖然としたことがある.私は「強制」というのは思考停止を意味して,「知識を再現する学習」どころか,およそ“教育”とは言い難いものだと思うのだが,こういうコメントが出ること自体、日本の教育の現状の深刻さを示唆しているのだろう.
 この社説でなるほどと思ったのは「競争」ということに対する認識だ.日本で一般的には「競争」は成長のための有力な方法として認められてきたのではないかと思う.無論、過度の競争による弊害は指摘されてきたが、それでも「競争」そのものはおおむね肯定的にとらえられてきたように思う.ところが、この社説ではフィンランドの教育と絡めて、こんな意見を紹介している.
 次に、他人と競わせないことだ。

 競争させると、順位に関心が向いて、考えることへの興味がそがれる。テストは各自がどこでつまずいているかを確認し、補うためのものだ。考える力がつくとともに学力格差も少ないのは、この二つの理念と実践が成果をあげているからだ。福田教授はそう指摘する。

 「競争させて順位をつけて、何かいいことがありますか」。フィンランドセンターのヘイッキ・マキパー所長は話す。「下の子はやる気をなくし、上の子は自分が優秀だと思いこむ。どちらの人生にとってもいい影響は与えないでしょう」
「競争させて順位をつけて、何かいいことがありますか」と問われてドキッとしたのは私だけではあるまい.「下の子はやる気をなくし、上の子は自分が優秀だと思いこむ。どちらの人生にとってもいい影響は与えないでしょう」というのは,“学力世界一”のフィンランドだからこそ説得力を持つ言葉だ.
 次の言葉は我々にとって耳が痛い.
日本は、どうだろう。

 学力危機は子どもに限ったことではない。大学生でも分数ができないと揶揄(やゆ)される。しょせんは試験でいい成績をとるために頭に押し込めた知識だ。のど元過ぎれば忘れてしまうのは当然か。
 私の知人で、入試で数学が零点ながらも某国立大学に合格した人がいるが(ゴメン、こんなところで引き合いに出して),数学に限らず学問が単なる通過のための道具となっているのは日本の現実だ.悲しいけれど.
 しかし,この社説に書いてあることがどんなに正論であっても,現状を変えることは難しいだろうなあと思う.

 もうひとつ,冒頭に書いた”「フィンランド」の活字が躍っていた”ことがある.それは東洋経済という経済週刊誌の広告だ.この週刊誌は買ってしまった.その感想はまた機会があればいつか書き留めよう.
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by hiroi22 | 2008-01-08 00:33 | ずっと思う

フィンランドかぁ...(2)

 昨日の朝,何気なくTVをつけると,NHKBSでフィンランドの教育に関する番組をやっていた.途中からだったのだが,思わず引き込まれてしまった.再放送だったようで,番組はこれ(↓)
BS特集「未来への提言」 元教育大臣 オッリペッカ・ヘイノネン  ~フィンランド学力世界一の秘密~
内容は上記のホームページの要約にある通りだが,これを見ながら新年早々NY Timesだったかに掲載されてた「日本ではインド式教育がもてはやされている」という記事を思い出していた.その記事では「日本は最近の学力の国際評価の落ち込みで自信を喪失気味で,インド式教育が注目を浴びている」と取り上げていた.「インド式教育」というものの中身はよくは知らないのだが,2ケタのかけ算表を暗記するといったことでその優越性をアピールしていると理解している.つまり、「詰め込み式」の方向にある教育法と推察している.一方、この番組でフィンランドの元教育大臣オッリペッカ・ヘイノネン氏が主張しているのはこの反対側にあるものと言ってよいだろう.「知識を詰め込むことではなく、変化のスピードが激しい時代を生き抜くための『自ら考える力』を育てること。」と言い切っている.

 例の「ゆとり教育」以来,教育についての議論がかまびすしい.最近発表されたOECDの国際的学習到達度調査の結果がそれに拍車をかけているようだが,フィンランド式とインド式とどちらがよいかと尋ねられれば、文句なくフィンランド式がよいと私は答える.いったい2ケタのかけ算表を覚えたところで数学の理解が増すわけではない.したがって,それだけをもってインド式教育をもてはやす(今のところ私の知っている理由はそうだが)というのであれば反対であると言わざるを得ない.他方,フィンランドでは,オッリペッカ・ヘイノネン氏の言葉にある通り,「落ちこぼれを作らないこと」や「自ら考える」ということを尊重しているようである.少子化であるが、国民の基本的な学力は高い日本では,彼のような教育哲学で社会全体の知性を底上げするべきだと思う.ただし、インド対フィンランドで議論したのだが,インド式教育なるものはよく知っているわけではないので、それについての誤解があるかもしれないが....
 こういったことを考えていると,「ゆとり教育」というものに思いが至る.実は私もかつては「ゆとり教育」と聞いて渋面を作っていた方なのだが,最近は、方向としては悪くないので,制度的なものを改善すればそれを支持したいと思うようになってきた.「制度的なもの」というのは、例えば授業時間を減らさないとか,現場の先生方の意見をもっと取り入れてカリキュラムの策定をするといったことである.

 もう一つ,同じアジアなのだが,私の見聞した限りではインドというのは今のところ,いろんな意味で大変なところである.確かにIT関連で脚光を浴びてはいるが,まだまだ貧しい国である.その意味でハングリー精神は旺盛かもしれないが,北欧の小国フィンランドと比べてより日本に近いのはフィンランドの方ではないかと思っているのである.したがって、教育の面で彼らが先に行っているのならばそれを参考にするべきなのだと.
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by hiroi22 | 2008-01-06 22:42 | じっと思う

ライスボウル

 アメリカンフットボールファン,特に関西大学アメリカンフットボールリーグのファンにとって関学というのは特別な存在だ.「特別」というよりも「恐ろしい」と言った方が当たっているかもしれない.(余談だが、関東ではまれに「関学=関東学院大」という”アレレな”ことになっていることがある.)
 関学には付属の中学・高校にアメリカンフットボール部があり,大学のアメリカンフットボール部はその経験者をずらりと揃えることができる.日本ではとってもマイナーなスポーツ、アメリカンフットボールでは経験者というのはとても貴重である.この点から、関学は強いアドバンテージをずっと持っている.しかし、アメフトにおいて関学が最も優れているのは、私の見る所、その強力なコーチングスタッフにある.アメフトは戦略のスポーツである.様々なシチュエーションで時間とフィールドをコントロールして最善の選択をしなければならない.そのためには事前に行なう対戦相手のスカウティングと,試合においての的確な判断が求められる.長年関西の大学アメリカンフットボールを引っ張ってきた関学にはそれをやってのける強力なOB・スタッフが常に揃っている.彼らは試合全体を見渡せるスポッター席から試合中に的確なプレーコールをサイドラインに送るのだ.経験ある選手と優秀なコーチ陣,この総合力が関学の強みであり、これまで幾度となく関西のチームはこの総合力の前に煮え湯を飲まされてきたのだ.選手の身体能力だけでは関学に勝てないのだ.
 で,今回の松下電工インパルス対関学ファイターズのライスボウル.私の予想は松下電工インパルスが有利と見ていた.従来からの守備の強さに加えて、今年は立命館OBのQB高田のオフェンスが強力.このため攻守ともにバランスがよい強いチームになっていた.これでは,いかに試合巧者の関学といえども勝つのは難しいと見ていたのだ.ただし、接戦にはなると思っていた.試合展開の予想としては,前半は地力に優る松下が先行し,後半関学の攻守が松下のプレーにアジャストして,追い上げを見せ猛追するが、高田の攻撃力が松下電工をなんとか勝利に導くというものだった.ただし、前半松下電工のリードが14点ぐらいでは関学に逆転されると思っていた.松下電工が勝つには前半で21点差以上、出来れば大量リードで関学の戦意を喪失させるぐらいが必要と考えていた.少しばかり関学の追い上げを過大評価しているように見えるかもしれないが、長年にわたり関学の「恐ろしさ」を見せつけられていた私の正直な予想であった.
 実際の試合は松下電工が関学を52―38で破ったが,私の予想がおおむね適中したと満足している.「適中」したのは勝敗ではなく,前半松下電工がリードして後半関学が猛追した試合展開である.「おおむね」と言ったのは,度重なるターンオーバーがなければ、関学が勝っていたかも知れないからだ.結果として、前半終了間際のインターセプトタッチダウンが関学の命取りになったと思う.ゴール前まで攻め込んでおきながら,タッチダウンを狙ったパスがインターセプトされ,そのまま相手のタッチダウンになってしまった.このため31対3という28点差で前半を終えてしまったのである.勝負事に「タラレバ」は禁句だが,後半に一時は7点差に迫った関学としては、もしあのタッチダウンがなければ,計算上は同点に追いついていたことになり,試合のモメンタムは完全に関学側に傾いていたことだろう.
 
 来年は主力の4年生が抜けるが,相変わらず関学は強いだろう.ただし、立命館には悪いけど,関西リーグを盛り上げるには京大の復活が必要だと思っている.かつて甲子園ボウルで日大のショットガンを打ち倒した京大だから,ショットガン対策には長けているはずだ.満員札止めの関京戦をまた見たいんだけどねぇ・・・
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by hiroi22 | 2008-01-03 23:00 | ずっと思う

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