ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


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ここに至っても見識のないバラマキ

 アメリカの高官が民主党の幹部と会談するなど,世の中の動きはもはや民主党政権を見越して動いているように見える.もちろん,いくら事前の情勢が有利とはいえ,これから選挙があるのだから確定した事態ではない.しかし,少なくとも来月以降も当然のように自民党が政権を担当するという仮定で物事を考えるべきではあるまい.ましてや麻生首相がこのまま政権を担当するというのはほとんどあり得ない想定なのだから,首相たるものはこの期に及んでは不要不急の事業について決裁するようなことはすべきではない.それが真の責任というものだろう.国民の税金を預かる最高権力者として,そんなことは当然の判断だと私は思うのだが,この国の内閣総理大臣はそうは思わないらしい.
 今日の朝日新聞の夕刊の小さなコラムに,今週末で応募が締め切りになる科学研究費の話が載っていた.何でも一件あたり90億の研究資金を30件ほどのプロジェクトに今後3〜5年間支給するというものだそうだ.総額は最大で約2700億円(!!).これをたった1ヶ月で決めるというのだ.その選考は政府の総合科学技術会議というところが中心だが,議長は麻生首相で,自ら「私の責任で決める」と述べているとのことだ.このコラムでは,こんなことを今の内閣が駆け込みで決めることではない.もっと長い期間をかけてじっくり選考すべきだと主張している.これには私も100%同意する.しかし,そもそもこの計画自体,麻生首相お得意のバラマキで,その適切性は疑わしいと思う.
 いったい麻生首相が科学技術研究にどれほど見識があるのだろうか.私はほとんどないと断言する.今回の1件当たり90億を30件,という計画自体どういった必然性があるのか彼には絶対に説明出来ないだろう.研究にはお金がかかる.しかし,お金を掛ける研究が質が高いというわけではない.必要な研究費の多寡は,研究の質ではなく研究の性格による.一般に実験系は理論系よりもお金がかかる.同じ実験系にしても研究対象の規模に研究費の額は左右される.今回の計画はすべての理論系と大半の実験系の研究を排除するものだ.社会科学系の学問は当然ながら想定外だろう.本当に年間90億も必要になる科学研究が日本にいくつあるのかは知らぬが,それが日本にとって必要な上位30の研究とはとても思えない.大した考えもなく,ただ自分が大きな予算配分を決めたという手柄が欲しいのだろう.つまり,目先の人気取りのために巨額の税金をばらまくことがまた行われようとしているのだ.それも今後5年間に渡ってだ.
 このコラムではオバマ大統領の方針も紹介されていた.全米科学財団に今回とほぼ同額の2800億円が配分されたそうであるが,その3分の2で既存の研究プログラムで,予算が足りずに却下されたものを救い上げるという.オバマ大統領と麻生首相とでは能力が違いすぎるのは重々認識しているが,地味ながらも足下を見たしっかりした予算の使い道で,毎度のことながら彼の健全さを実感してしまう.
 麻生首相は極端なことを言えば,自分の政権延命の人気取りのために税金を惜しげもなく使っているとしか私には思えない.「予算が足りずに却下されたものを救い上げる」などという地味で自分の宣伝にもならないようなことは,たとえそれが日本の科学研究にとって健全であっても,予算を振り分けるということは考えつきもしないのだろう.
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by hiroi22 | 2009-07-18 23:18 | じっと思う

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