ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


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北欧に恋して

 日本は世界有数の経済大国という.世界で何番目かどうかそんな数字はこの際どうでもよい.この経済的“発展”は,戦後の焼け野原から懸命にこの国を建て直してきた人々の輝かしい成果だ.そしてその功績は勤勉さと高い教育水準にその主たる要因を求めることができるだろう.では,その経済発展は一体何のためだろう.エコノミックアニマルと蔑まれ,欧米の技術を盗んで改良しただけと非難されようが人々は汗水出して懸命に働いた.一体何のために?それはいうまでもなく幸福のためだ.GNP,GDPであるとか成長率といった数字を競ったわけではない.それは結果として後からついてきたものだ.
 では,その経済発展を遂げた結果,いったい我々はどういう状況にあるのか.一言で言えば,極めて貧しい.医療,社会福祉,教育.どれをとってもすべての国民が経済発展の恩恵を被っている状態とはとても言えない.何もない焼け野原から豊かな社会を目指して突き進み成功を収めたはずなのに,満足に医療が受けられないたくさんの人々がおり,明日の生活も見えない人々,授業料が払えずに学業を断念する若者が絶えないのはどういうことなのか?いったいどうしてこんなことになってしまったのか?われわれの先輩,そしてわれわれは一体どこで間違ったのだろうか?

 もう10年ほど前だが,北欧に短期間だが滞在したことがある.高福祉でどんな人も原則として手厚い保護が受けられる.そのためか,稀に昼間から酒をあおって町をうろつくお年寄りも見かけた.もちろん大多数の人達は勤勉であるが,当時の私は市中でアル中の人を見かけると,そういう人達さえもサポートする制度に疑問を抱いたこともある.しかし,今になって,ワーキング・プアという搾取される弱者が存在し,様々な形で弱者が切り捨てられ,そして社会全体がぎすぎすしたこの日本の現状を見ると,アル中の老人さえも許すその国の懐の深さ,社会の暖かさがうらやましいと思うようになった.
 当時ある町で,現地の人を奥さんにもらってそこで暮らしている日本人のおじさんと知り合いになった.その大きな自宅で話しているとき,彼が
「こんな小さな町でも自前のオーケストラを持っている.経済的な数字で見れば日本の方がずっと上かも知れないが,こんなことは日本の町では考えられないだろう.この文化的な豊かさの差をもっと考えなければいけない」
といった風なことを力説していた.
 ある調査では,国民の幸福度はデンマークが世界1だという.国民の全てが平等に高い教育と医療などの福祉を受けられる,100%とはいえないまでもそういう哲学で進んでいる国々が,夢物語,理想論ではなく,実際に存在するということだ.人々の能力・才能を開花させる制度に今の日本がなっているかというとまったくそうではあるまい.経済的弱者には勉学の機会は限られている.競争によって生き残ったものだけが利益を受ければよい,そういう社会は間違っていると思う.少なくとも目指した方向ではなかったはずだ.
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by hiroi22 | 2008-05-26 23:47 | じっと思う

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