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聖徳太子--知らなかったのは私だけ?

 以前にも書いたのだけれど,僕の高校時代の日本史の先生はなかなかユニークだった.とにかく授業では,ことあるごとに“常識”を木っ端微塵にしてくれるのだった.曰く,
「吉田松陰?あいつはトンデモナイやつで・・・」
「堺の仁徳天皇陵?あれはウソ.あそこには何もありません.」
「水戸光圀?あいつは不良.」
「邪馬台国なんてありません.魏志倭人伝は白髪三千畳の中国人の書いた大法螺.信用したらあきません.」
等々.歴史上の有名人,偉人をバッサリ切ってくれるので,悪童どもは授業そっちのけで大喝采.その先生自身,高校教師ながらも考古学者として当時から有名で,のちにある大学の教授として迎えられるほどの実力の持ち主だったので,聞き耳を立てていたわれわれ生徒もそれなりの信憑性を感じていた.おかげで世の中の既成概念を無批判に丸ごと受入れるなどという姿勢から脱却出来たと思っている.彼にとって,むろん”万世一系”の天皇制とて容赦はなかった.
 こういった懐かしい日本史の授業の雰囲気を思い出させてくれたのが,昨日の中日新聞の社説だ.
書き換わる聖徳太子像 週のはじめに考える
ちょっと引用してみよう.
 実在から非実在へ、聖徳太子像が大きく書き換えられようとしています。戦後歴史学がたどりついた成果とも、真実追究の学問がもつ非情さともいえるでしょうか。
 聖徳太子を知らない日本人はまずいません。教科書風にいえば、六世紀末から七世紀前半の飛鳥時代、日本の伝統精神に仏教や儒教の外来思想を身につけ、日本の国力と文化を飛躍的に高め世界の先進国入りさせていった皇太子です。
 「和を以て貴しと為す」との教えや貧しい者への優しい眼差(まなざ)し、太子の言葉とされる「世間虚仮(せけんこけ)唯仏是真(ゆいぶつぜしん)」の無常観などは、いまも人の心にしみて揺さぶります。
 常識になった非実在
 もっとも、一時に八人の訴えを聞いて誤りなく裁いたことから、八耳皇子(やつみみのみこ)と呼ばれたとの伝承や生まれたときから言葉を話し高僧の悟りに達していたとの伝説、その未来予知能力や中国の高僧の生まれ変わりで、最澄は玄孫などの輪廻(りんね)転生の説話などには訝(いぶか)しさを感じさせるものではありました。
 誇張や粉飾があったにしても、実在と非実在では話の次元が全く違ってしまいます。ところが、積み重ねられた近代の実証的歴史学の結論は「聖徳太子はいなかった」で、どうやら決定的らしいのです。
 びっくりした.聖徳太子はいなかったというのだ.太子の有名な業績についても次々と否定されているらしい.
 このうち十七条憲法については、既に江戸後期の考証学者が太子作ではないと断定し、戦前に津田左右吉博士が内容、文体、使用言語から書紀編集者たちの創作などと結論、早大を追われたのは有名です。
 三経義疏は仏教の注釈書で太子自筆とされる法華義疏も現存しますが、これらも敦煌学権威の藤枝晃京大教授によって六世紀の中国製であることが論証されてしまったのです。
 世に知られた法隆寺の釈迦(しゃか)三尊像や薬師如来像、中宮寺の天寿(てんじゅ)国●帳(こくしゅうちょう)も、その光背の銘文研究や使用されている暦の検証から太子の時代より後世の作であることが明らかになってきました。(●は繍の旧字 )
うむむ、これは一体どういうことなんだろう....ここでは日本書紀にその原因があると指摘している.
 大変革の時代の日本書紀の任務は誕生した天皇の歴史的正統性と権威の構築です。それが、高天原-天孫降臨-神武天皇-現天皇と連なる万世一系の思想と論理、中国皇帝にも比肩できる聖天子・聖徳太子の権威の創作、書紀は政治的意図が込められた歴史書でした。
 大山教授の指摘や論考は、歴史学者として踏み込んだものですが、隋書倭国伝との比較などから「用明、崇峻、推古の三人は大王(天皇)でなかったのではないか」「大王位にあったのは蘇我馬子」などの考も示しています。「日本書紀の虚構を指摘するだけでは歴史学に値せず、真実を提示する責任」(「日本書紀の構想」)からで、日本書紀との対決と挑戦が期待されます。
なるほど,天皇制を権威づけるためのでっち上げが濃厚というわけか・・・ これに便乗するわけではないが,日本書紀を信じるのは確かにおかしい.普通に考えれば,当時の権力者にとって都合のいいテキトーな嘘が散りばめられているはずだ.で,この社説の結論はこうだ.
 千年を超えた執念
 日本書紀が展開した思想と論理は千三百年の現実を生き現代に引き継がれました。憲法と皇室典範は「皇位は世襲」で「皇統に属する男系の男子がこれを継承する」と定めています。
 しかし、万世一系は子孫を皇位にと願う持統天皇のあくなき執念と藤原不比等の構想によって成り、その父系原理も日本古来のものとはいえないようです。建国記念の日に永遠であるかのような日本の原理の由来と未来を探ってみるのも。
ふむ,世が世ならば不敬罪にあたる思い切ったことを書くね,中日新聞も.でも,冒頭の高校時代の恩師もきっと同じ意見だろう.
 聖徳太子不在説は知らないわけではなかったが,正直に言って,おかしな学者の空想と思っていた.知らなかったなあ〜!実は昨年法隆寺を訪れて見学したのだが,まんまと坊主にだまされたのか!
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by hiroi22 | 2008-02-11 22:46 | じっと思う

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