ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


by hiroi22

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フィンランドかぁ...(3)

 昨日フィンランドの教育について,「自ら考える」ということを尊重していることを取り上げ,日本でもこの方向で「社会全体の知性を底上げするべき」と書いた.フィンランドのネタはこれで一区切りとしようと思っていたのだが、まったく偶然にも今朝の朝日新聞で「フィンランド」の活字が躍っていたので再び取り上げることにした.
 まず社説が目にとまった.そこでは,
希望社会への提言(11)—「アポロ13号」に教育を学ぶ
この社説では
・正解を急がず、競わせず、考える心を育てよう
・教育は投資、社会全体で知の劣化を食い止める

ということをフィンランドの教育をあげながら主張していた.つまり,昨日のblogと同じような内容である.
 ふむ、大朝日の社説と昨日私がNHKBSのTVを見て書いた内容とそうは違っていない.してみると、このblogもそう捨てたもんじゃないね,うふふ.とはいえ、やはり向こうの方がデータもはっきりしているし、明快じゃ.それはしょうがない.が,その内容について書き留めておこう.
 まず、日本の教育について,
 調査をしている経済協力開発機構(OECD)の事務総長は、日本にこんな警告を発した。「知識を再現する学習ばかり続けていると、労働市場に出た時に必要とされる力が身につかない」
という批判を紹介している.「知識を再現する学習ばかり」とはうまい表現だ.今日帰りがけに本屋に立ち寄って見つけた小柴博士の著書では,博士が東大の学部卒業生に向かって
「君たちは東大を卒業するのだから、受動的な学習に対しては適応していることは確かだが,将来必要となる能動的な学習に対する適応性は未知数だ.」といった趣旨の発言をしたことが紹介されていたが,これも同じ意味の警句だろう.日本がいろいろな分野でフロントランナーとしての立場が期待されている状況になっているとしたら,人の後追いしかならない「知識を再現する学習」だけでは済まされまい.
 以前あるところで「教育なんて強制」というコメントを目にして唖然としたことがある.私は「強制」というのは思考停止を意味して,「知識を再現する学習」どころか,およそ“教育”とは言い難いものだと思うのだが,こういうコメントが出ること自体、日本の教育の現状の深刻さを示唆しているのだろう.
 この社説でなるほどと思ったのは「競争」ということに対する認識だ.日本で一般的には「競争」は成長のための有力な方法として認められてきたのではないかと思う.無論、過度の競争による弊害は指摘されてきたが、それでも「競争」そのものはおおむね肯定的にとらえられてきたように思う.ところが、この社説ではフィンランドの教育と絡めて、こんな意見を紹介している.
 次に、他人と競わせないことだ。

 競争させると、順位に関心が向いて、考えることへの興味がそがれる。テストは各自がどこでつまずいているかを確認し、補うためのものだ。考える力がつくとともに学力格差も少ないのは、この二つの理念と実践が成果をあげているからだ。福田教授はそう指摘する。

 「競争させて順位をつけて、何かいいことがありますか」。フィンランドセンターのヘイッキ・マキパー所長は話す。「下の子はやる気をなくし、上の子は自分が優秀だと思いこむ。どちらの人生にとってもいい影響は与えないでしょう」
「競争させて順位をつけて、何かいいことがありますか」と問われてドキッとしたのは私だけではあるまい.「下の子はやる気をなくし、上の子は自分が優秀だと思いこむ。どちらの人生にとってもいい影響は与えないでしょう」というのは,“学力世界一”のフィンランドだからこそ説得力を持つ言葉だ.
 次の言葉は我々にとって耳が痛い.
日本は、どうだろう。

 学力危機は子どもに限ったことではない。大学生でも分数ができないと揶揄(やゆ)される。しょせんは試験でいい成績をとるために頭に押し込めた知識だ。のど元過ぎれば忘れてしまうのは当然か。
 私の知人で、入試で数学が零点ながらも某国立大学に合格した人がいるが(ゴメン、こんなところで引き合いに出して),数学に限らず学問が単なる通過のための道具となっているのは日本の現実だ.悲しいけれど.
 しかし,この社説に書いてあることがどんなに正論であっても,現状を変えることは難しいだろうなあと思う.

 もうひとつ,冒頭に書いた”「フィンランド」の活字が躍っていた”ことがある.それは東洋経済という経済週刊誌の広告だ.この週刊誌は買ってしまった.その感想はまた機会があればいつか書き留めよう.
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by hiroi22 | 2008-01-08 00:33 | ずっと思う

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