ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


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甲子園ボウル

 今回は日曜日に行なわれた甲子園ボウルの感想である.でも,アメリカンフットボールに興味のある人向け.

 関学対日大の甲子園ボウルを見た.深夜枠で中継録画であったが眠気が吹っ飛んだ.まるでアニメを見ているような凄い試合だった.41−38の3点差で関学の勝利.しかし,試合を決めた最後の逆転タッチダウンは終了3秒前に決まっり,それも関学の第4ダウンの攻撃.現実にこんな試合になったことは,見ていなければウソだと思うだろう.

 始まる前から,「赤と青の対戦」ともてはやされた試合だった.赤=日大,青=関学.これまで嫌というほど甲子園ボウルの対戦があったが,ここ最近は日大が入れ替え戦の危機に陥るほどの不振で甲子園ボウルどころではなかった.今シーズンはその日大が名門を立て直して久々の対戦が実現したのだ.
 試合前はこの試合はそんなに期待はしていなかった.日大=故篠武監督のスパルタ練習というイメージでいけ好かないチームだったし,何より久々に甲子園ボウル登場ということで,実力的には関学が一枚上だと思っていたからだ.関学というのはアメリカンフットボールの作戦に長けた試合運びのうまいチームだ.甲子園ボウルで試合運びで実力以上の結果を出すことはあっても,自分より実力が下のチームに取りこぼしをするような試合にはならないだろうと思っていた.しかし,試合を見て驚いた.日大の守備ラインが凄い.大きくて速い.前半は予想に反して点が入らない.10−10で折り返した.

 両チームのフォーメーションはショットガンである.QBがセンターの5,6ヤード後方に位置することは両チームとも同じだが,RBの位置が少し違う.日大はRBがQBのさらに後方にセットする.関学はRBはQBの少しだけ後方にセットして,ほぼ並んでいると言ってもいい位置である.私は最近あまりアメリカンフットボール,特に学生のそれは見る機会がない.そのせいか,両チームのフォーメーションには少し驚いた.篠竹監督直伝のショットガンVともかけ離れている.
 ClassicalなIフォーメーションやTフォーメーションではFBのダイブプレーという武器がある.これが基本となって様々なランニングプレーが展開される.QBがスクリメージラインのはるか後方に位置するショットガンではこの武器が使えない.したがって守備側にランニングプレーをアジャストされやすいという欠点があった.過去ショットガンを使うチームは,ランニングプレーにおいてこの欠点をどう克服するかに腐心していたように思う.例えば,RBをQBとセンターの中間に置いて,センターからのダイレクトスナップでダイブプレーを行なうということもあった.ところがこの両チーム,特に日大のショットガンはこのクイックヒットによるランプレーはもう完全に放棄したフォーメーションだ.この点に関しては開き直っているといってもよいかもしれない.
 実際に展開されるランニングプレーでは,QBはRBに直接ハンドオフして走らせるという単純なものだったが,常にプレーアクションパスを警戒しなければならないということ,QBのフェイクの巧みさ,RBのスピードとオフェンスラインの能力で進んでいるように見えた.他方,このフォーメーションでオプションプレーは難しい.まあ,その裏のパスプレーがあるのだろうけれど,オプションプレーはあまり有効には見えなかった.個人的には,カレッジフットボールらしいオプションプレーや,ラン&シュートが好きなのだが,ともあれショットガンはショットガンで進化していることが見て取れた.

 試合の後半は点の取り合いになった.これは両チームのオフェンスが相手のデフェンスを分析して,後半にその弱点を突いたこともあろうが,デフェンスの疲労ということも大きかったと思う.QBが後方からパスを投げるショットガンでは,デフェンス,特にラインはQBに対してプレッシャーをかけることを毎回要求される.そのために通常のオフェンスのフォーメーションよりもさらに長い距離を突進する.これはかなりスタミナを使う守備になる.しかも,この試合はリーグ戦よりも長い1Q15分である.ただし,そういうことを考慮に入れても,日大のオフェンス人は最高のパフォーマンスを見せた.関学に10点差を付けられた直後のキックオフリターンでTDをあげたRB金(こん)のスピードには目を見張った.自陣奥深くからストリークに走るWR秋山への大胆な逆転TDパスは関学デフェンスの度肝を抜いたことだろう.また,最後のTDとなったリバースのトリックプレーは,これに引っかかった関学の守備としてはややお粗末の感を免れないが,スペシャルプレーとしてまんまと決まった.
 しかし,相手がこれだけのプレーをしても最後に勝ってしまうのが関学のいやらしく,かつフットボールをよく知っている戦い方といえるかもしれない.それを演出したQB三原の冷静なプレーぶりは驚嘆するしかない.こういう選手を信頼しての関学逆転のシナリオが書かれたのだろう.その信頼に応えるのもさすがである.

 とにかくよい試合を見せてくれた両チームの健闘を讃えたい.しかしTV局はいけない.深夜枠は諦めるとしても,得点シーンを中心に編集するというのはやめて欲しい.フットボールは作戦の競技である.得点できないシリーズにも意味がある.全プレーノーカットで放送して欲しい.なにしろ「毎日」甲子園ボウルなのであるから.もし,そういう放送が無理ならば,関西協会は放送権をNHKに戻すべきだ.
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by hiroi22 | 2007-12-19 01:03 | じっと思う

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