ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


by hiroi22

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

NHKのポアンカレ予想の番組を見る

 昨日今日とblogのアクセス数が異常な伸びを示し,一体何事かと思ったら,昨日のNHKのポアンカレ予想についての番組「ポアンカレ予想・100年の格闘」がその原因だったようだ.過去に記したポアンカレ予想についてのこのblogの一連の記事:
ポアンカレ予想(2006.5.4)
ポアンカレ予想解決の論文が出版されたのだけれど...(2006.7.22)
ポアンカレ予想再び(2006.7.25)
Perelman:超俗にして変人(2006.8.23)
がこの番組を見て検索されて読まれたものと推察される.で,せっかくなのでこの機会にこの番組の感想も書いておこう.
 この番組でまず感心したのは,ポアンカレ予想の条件である「三次元多様体の基本群が自明」ということを,「宇宙に1本のロープをぐるりと回してその両端を持ち,そのままロープをたぐり寄せることがいつでも出来る」という風に表現したことである.う〜む,これならばこむずかしいことを言わなくても理解できる.目から鱗が落ちた.
 一時評判になった「博士の愛した数式」という小説に見られるように,この手の番組はややもすると「数学を神秘化する」という傾向があるように思う.(この点についてはこのblog”博士の愛した数式”で批判した)しかし,この番組ではポアンカレ予想の解決に格闘する数学者の描写を通して,その手の”神秘化”は避けているように感じ,好もしかった.例えば,Haken多様体という名称に名を残しているHaken教授が,ライバルと競いながらポアンカレ予想に取り組んでいたエピソードはある種の人間らしさを感じさせた.ちなみに,その解説に示唆されていたknot理論が,ポアンカレ予想の解決の手段としてその動機を持っていたことは私は知らなかった.
 番組では,今回Perelmanが解決した「幾何化予想」を提唱したThurstonが,何度目かの結婚で授かった子供と戯れている場面があった.”ポアンカレの再来”と呼ばれながらも,今やある意味で”俗人化”したThurstonと,自ら全ての富と名誉を捨ててしまったPerelman.この二人の対比を見れば見るほど,Perelmanの現状は残念という他はない.しかし,彼は人類の文化史に名を残す偉大な仕事を成し遂げたことは間違いないのである.Perelmanがどんな状態に陥ったとしても,彼がポアンカレ予想という難問を解決したこと,それは人類の知の遺産として永遠に輝くのである.
[PR]
by hiroi22 | 2007-10-23 22:49 | ずっと思う

ブログパーツ

  • →:次の記事へ
  • ←:前の記事へ
  • Home:このページの先頭へ
  • End:最後の記事へ

最新のトラックバック

「オバマファクター」米国..
from 米流時評
シティバンク危機脱出!連..
from 米流時評
経済氷河期に春一番? C..
from 米流時評
警告!北朝鮮が即時臨戦態..
from 米流時評
作家フォーサイス 次の小..
from 米流時評
「事実は小説よりも奇なり..
from 米流時評
オバマのマンモス再生予算..
from 米流時評
ウォール街の真冬はいつま..
from 米流時評
ウォール街ブリザード!ダ..
from 米流時評
自由への厚い扉/エジプト..
from 米流時評

リンク

タグ

(119)
(60)
(49)
(45)
(45)
(39)
(32)
(26)
(26)
(24)
(16)
(15)
(14)
(12)
(10)
(9)
(8)
(8)
(5)
(2)

ライフログ


青の時代


オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える


風味絶佳


Antonio Carlos Jobim's Finest Hour


セゴビアの芸術

カテゴリ

全体
じっと思う
ずっと思う
Macintosh
iPhone

検索

以前の記事

2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
more...

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧