ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


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相撲協会は批判に耐えうる組織なのか

 「名選手必ずしも名監督ならず」という諺がある.この諺は,少なくとも日本では野球界を意識したものだが,一般論として全てのスポーツに当てはまる諺だろう.当然相撲界にも当てはまる.つまり,「名力士必ずしも名親方ならず」というわけである.
 しかし,こういう言葉の言い換えをしてみて,ふと考えると相撲界というものの特殊性が見えてくる.先の「・・・名監督ならず」という言葉だが,これには「名監督かそうでないかが評価される」という暗黙の前提がある.たとえ名選手でも監督として不適格であれば首は切られるのだ.しかし,翻って相撲界を見た時に,部屋の力士の成績が悪いので親方を辞めましたという話は寡聞にして聞かない.つまりそういう批判はない世界なのだ.批判があったとしても,力士の礼儀作法だといったレベルの話で終わってしまう.この点から「名力士必ずしも名親方ならず」というのは実際には意味のない諺であり,相撲界の特殊性の一端が見えるのである.
 私はこのblogで,例の「朝青龍問題」で相撲協会の対応を批判してきた.その中で,心に引っかかっていたのは,「いったい相撲協会のお偉方というのはどれほどの判断力,経験,問題対処能力を持った人達なんだろうか?」ということだ.彼らは現役時代番付の上位を経験した元力士たちばかりである.しかし「名選手必ずしも名監督ならず」ではないが,相撲が強かったからというだけでは,組織を運営出来る能力に長けてるとはいえまい.(例えば,そこに外部からの批判というものがあれば,篩(ふるい)がかけられ物事は健全な方向に進むのであるが.)実際,この不安が適中したのではないかと思わせる事態が起こった.

<相撲協会>記者クラブ会友の杉山さんの取材証を”はく奪”
 日本相撲協会の北の湖理事長は10日、横綱・朝青龍に関する一連の騒動に関してテレビで解説をした東京相撲記者クラブ会友の杉山邦博さん(76)=日本福祉大学客員教授=の発言が協会批判にあたるとして、協会発行の取材証を返還させた。事実上のはく奪で、これに対し、同クラブは11日、抗議文を提出したが、理事長側は返還に応じていない。

 北の湖理事長は、抗議文で「(杉山さんの)言動の何が問題なのか、明確にしてほしい」と要請されたのを受けて、同クラブの代表者に対して口頭で回答。(1)8月中旬の朝の民放情報番組で「朝青龍への処分に対しては弁護士や識者を入れて決めるべきだ」というコメンテーターの発言に杉山さんがうなずいたのは相撲協会批判にあたる(2)テレビ出演の際の肩書が「相撲評論家」「相撲ジャーナリスト」となっているが、こうした立場の人には(記者でないので)取材証を発行できない——と、返還させた理由を説明した。
「言論の自由」であるとか「議論によって物事を決める」ということなどを少しでも考えたことがあるのならば,「協会批判の意見にうなずいた」とか「テレビ出演時の肩書きがどうたらこうたら」という理由で取材を許さない,という発想は出て来ないはずだ.
 杉山邦博氏は元NHKのアナウンサーである.相撲の実況としては北出清五郎氏の名調子には及ばないものの,北出氏の後輩として長く相撲の実況放送に携わってきた人だ.したがって,大相撲に対する見識と愛情では人後に落ちない人だと思う.そのような人の意見・批判をどうして真摯に受け取ることができないのだろう.この対応では,批判を受け付けない,批判に耐えられない組織であることを自ら公言しているようなものである.
 現在の北の湖理事長は,現役時代のしこ名で親方を名乗ることが許されるほどの大相撲の功労者ではあるが,彼は中学を卒業後すぐに三保ガ関部屋に入門している.つまり,人間形成期から一貫して相撲界という特殊な世界に身を置いてきた人なのである.今回のことも含めた一連の騒動の対処を見ると,彼は大相撲というものをマネジメントする人間としては不適格であると断定せざるを得ないのである.
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by hiroi22 | 2007-09-12 00:21 | じっと思う

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