ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


by hiroi22

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またまた中日新聞の社説に感服する

 私は阪神ファンである.したがって,読売新聞は敵国のプロパガンダの新聞であり,極端に嫌悪してきた.この観点からいうと,中日新聞も同様である.いや,「同様であった」というべきか.以前はともかく,現在では「敵国のプロパガンダ」などという地位ではない.というのも,最近中日新聞の社説を読むようになり,その見識の高さや鋭い視点に敬服することが多くなったからである.特に日曜日の「週のはじめに考える」と題する社説は読みやすく,しかも説得力がある.今週も「権力の重さと怖さ 週のはじめに考える」と題した考えさせられる内容である.いくつか論点を引用してみる.
 参院選で権力者としての重い責任を問われた安倍晋三首相は、権力の怖さを発揮することでそれに応えました。その最終判定は最高権力者である国民の責任です。
この文章で,社説は選挙結果にもかかわらず首相の座を明け渡さない安倍晋三の対応は「権力の怖さ」だという.そして安倍晋三の政治理念に対する姿勢を次のように批判する.
 安倍首相は参院選の最中も「美しい国」について抽象的な説明に終始しました。改憲を企図し果たせなかった祖父・岸信介元首相と自分を重ね合わせた発言はあっても、体系的な政治思想や理念が語られることはありませんでした。
 それは、「美しい国」の形をどうするかについて、自分に白紙委任を求めたようなものです。
それが今度の選挙結果で明らかにされたのだと分析する.つまり;
 しかし、一九三三年、「全権委任法」をヒトラーに与えたドイツのような過ちを、日本の有権者は犯しませんでした。
 政権そのものについては,
 作家の堺屋太一さんは安倍内閣を「知識と能力に欠ける」と断じ、「政治家の知識と能力が欠け、意欲だけが先走るのは一番困った現象」(「文芸春秋」八月号)と嘆きました。選挙結果は同じ思いの人々の多さを示しているようにみえます。
とまあ,堺屋太一氏を引用しているが,要はボロクソにけなしているのである.私もこのblogで何度となく安倍政権を批判してきたが,「知識と能力に欠ける」とはさすがに完膚なきまでのけなしようである.さらに
 他の政治家や末端の公務員を悪者にして自分は逃れようとする無責任さ、民意を汲(く)み取れず対応が後手後手に回る無能ぶり、「私の内閣」や「首相指示」を乱発する権力意識の強さ…権力者の責任の重さ、それ故に求められる謙虚さを首相が自覚しているとは思えません。
と攻撃の手は緩まない.文体は穏やかだが,内容はキツい.
 日本は歴史上、少なくとも二度の大きな脱却を経験してきました。
 明治維新は封建体制の国家から資本主義の近代国家に転換する脱却でした。それから八十年近く後、近隣諸国民と同胞に大きな犠牲を強いたすえに戦争に敗れた結果として、軍国主義を脱し民主国家として新生することができました。
 いずれも、負の遺産を清算し過去を克服するために、それまでの体制と断絶したのです。未来を切り開くための、前を向いた変革でした。そうしてできたのが「戦後レジーム」であり、日本国憲法です。
 日本の政治家なら、まずこの歴史認識からスタートしなければなりません。ところが、安倍首相が三度目の脱却として目指す「美しい国」には戦前回帰のニオイがします。
単に批判しているのではない,きちんとした歴史観に基づいて論説を展開しているのである.このほかにも「かつてと同じ愛国心押しつけになりかねない新教育基本法、『昔はよかった』式の議論で教育勅語の世界に戻そうとしているのではとさえ思わせる教育再生会議、」「十九世紀の資本主義をほうふつさせる格差拡大容認の政策は、富の分配に配慮しながら全体を底上げしてきた戦後日本の思想とは異質です。挑戦する機会さえ与えられず格差の淵(ふち)に沈んだ若者の目には、再チャレンジ政策が言葉遊びと映ります。」などの文章が踊る.これらは総合的な見識,知性がなければ書ける文章ではないだろう.悲しいことに,安倍首相とそのお友達の中にはこのような見識を持った人物が見当たらないのだけれど.
 社説の最後はこう締めくくっている.
不安や怒りを持続し
 そのためには未来を政治家に一任するわけにはゆきません。
 それだけに今度の参院選を一時の“祭り”や“禊(みそ)ぎ”に終わらせてはなりません。不安や怒りを持続しながら政治家と政治を厳しく監視し、コントロールしてゆくのは最終権力者である有権者の責任です。
 これはもう明確な「倒閣宣言」である.よくぞ言った.
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by hiroi22 | 2007-08-13 00:38 | じっと思う

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