ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


by hiroi22

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

水木しげるイズムを知る

 「ホンマにオレはアホやろか」--水木しげる著
d0007533_21521196.jpg

 例によって(?)タイトルにつられて買ってしまったこの本.この本は漫画家水木しげるの自叙伝である.笑いながら一気に読んでしまったが,実際に書かれている内容は笑えるようなものではない.
 小さいころからガキ大将で,落ちこぼれ.勉強はしないので受験は失敗続き.戦争になり,南方最前線で片腕を失って終戦を迎え帰国.戦後,絵の才能を生かして,紙芝居作家から貸本漫画家という道をたどるも売れず,困窮の毎日を送る.ようやくゲゲゲの鬼太郎が当たり,漫画家としての地位を確たるものにしたというお話が書かれている.話の大部分は最後の成功に至るまでの貧しく苦しい時代の話である.しかし,著者のひょうひょうとした語り口はその苦しさや悲惨さを感じさせないのだ.むしろ,苦しい時にも何かしら心の余裕のようなものを持ち,生きていることを楽しんでいる筆者に共感させられ,その悲惨な毎日に起こるいろいろな出来事,次から次へと出会う奇妙な人々に笑ってしまうことになる.
 絵の才能はあったにせよ,今の時代の価値観で見れば,彼はトンでもない役立たずということになると思う.何せ学校にはまともに行かない,仕事も定職に就くというわけではない.徹頭徹尾マイペースと言っていい.しかし,時代が水木しげるに合っていたのか,とにかく彼は生き延びたのだ.
 水木しげるは戦時中に仲良くなった南洋の土人(彼はこの言葉を尊敬をこめて使う)の生活を賛美する.彼らののびのびした生活,自然の法を越えない生き方を賞賛する.こういう彼の人生観,生き方を100%賛同するわけではないが,ここまで「我が道を行く」という人生を見せつけられると,説得力を感じないわけにはいかない.
 我が道を行く彼はこんな風な言葉を投げかける.
人がどうこうしたとからとか,スタートがおくれたからといって,クヨクヨする必要はない.
 虫の中にいろいろな種類があるように,われわれ人間にも,いろいろな種類があるのだ.
 子供の頃から,一律に学校という,奇妙なものの中に入れられて,成績がどうのこうの,点数がどうのこうのといわれ,そんな,しょうもないことに,胸をドキドキさせられるんではたまったものではない.
大地はもっと自由だ.いろいろな形で生きていける.
 正直,ぼくはここまで悟りを開くことは出来ないだろうが,自分のつり上がった両目を少しは穏やかにしたいとは思っている.実際はなかなか難しいんだけれどね.
[PR]
by hiroi22 | 2007-06-09 23:00 | じっと思う

ブログパーツ

  • →:次の記事へ
  • ←:前の記事へ
  • Home:このページの先頭へ
  • End:最後の記事へ

最新のトラックバック

「オバマファクター」米国..
from 米流時評
シティバンク危機脱出!連..
from 米流時評
経済氷河期に春一番? C..
from 米流時評
警告!北朝鮮が即時臨戦態..
from 米流時評
作家フォーサイス 次の小..
from 米流時評
「事実は小説よりも奇なり..
from 米流時評
オバマのマンモス再生予算..
from 米流時評
ウォール街の真冬はいつま..
from 米流時評
ウォール街ブリザード!ダ..
from 米流時評
自由への厚い扉/エジプト..
from 米流時評

リンク

タグ

(119)
(60)
(49)
(45)
(45)
(39)
(32)
(26)
(26)
(24)
(16)
(15)
(14)
(12)
(10)
(9)
(8)
(8)
(5)
(2)

ライフログ


青の時代


オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える


風味絶佳


Antonio Carlos Jobim's Finest Hour


セゴビアの芸術

カテゴリ

全体
じっと思う
ずっと思う
Macintosh
iPhone

検索

以前の記事

2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
more...

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧