ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


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不勉強が身にしみる

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 最近手に取ってみた本がこれ。
不勉強が身にしみる
 このタイトルに心を動かされない人は少ないだろう。そういう意味ではこのタイトルは◎である。タイトルだけでいえば、この本の成功は半ば約束されたようなものだと思う。肝心の中身について、ちょっと長いが著者による紹介を引用しよう。
四〇歳を過ぎた。親として子に何かを教えようとしたとき、ふと、自分の生きざまを問われ、恥じ入りたい気持ちになる。子供に読んでやる文章が、自分自身の身にしみる。この年になってやっと、本当の勉強の意味に気付いた気がする——。学力低下不安から、子供にお勉強をさせることは、一種のブームと言える盛り上がりを見せている。しかし現在の日本人の不勉強ぶりは、子供にお勉強をさせればいいというレベルをとうに超えている。自戒を込めて言えば、すでに大人からしてダメである。本書は、凡庸な親が自分も勉強しなくてはならないと考え、しかし何をどうやって学ぶべきか、そもそも勉強とは何だっけ、といった事柄を、国語・倫理・歴史・自然科学といった広い分野にわたって思い悩むドキュメントである。
これは著者によるいわばCMなので、割り引いて読む必要があるが、少なくともこの本の序盤は、上の紹介通りの雰囲気を醸し出している。特に「ゆとり教育」とそれを改めた政策の両方の「場当たり性」を批判している部分などは「勉強」というものに対する著者の意見に一定の説得力を持たせていると思う。
 ところが読み進んで行くうちに、何だかこの紹介からは路線がどんどんズレていくのである。まず、著者の力み具合が伝わってくる。肩に力が入っているのだ。読者にしてみれば、子供の頃に親から「勉強しなさい!」と言われていたことが思い出されるような雰囲気になってくるのである。とにかく、この本は「思い悩むドキュメント」なんかでは決してない!
 例えば、著者は【勉強するための基本図書ガイド】なる節をもうけて、いろいろ参考図書を紹介しているが、その中で
大目標を達成するための中目標、小目標を立てて、一つ一つ攻略していく。
と宣うのである・・・
 うーむ。いわれていることはわかるが、そんなに目くじらを立てることもあるまいと思うのである。もうちょっと肩の力を抜いてリラックスした方がいいじゃないのぉ?その結果でもあるまいが、この本の強調する「勉強すること」というのが目的化されているような印象を受ける。
 力む傾向は章を重ねるにつれてだんだん強くなってくる。それに著者はとても博学である。古今東西の文献からの引用が夥しい。また【〜のための基本図書ガイド】というコーナーをもうけているように、この本の随所で読者にちょっと押し付けがましくアドバイスをするのである。にもかかわらず自分は凡庸な親で、勉強はできないと告白している。読者としては対応に戸惑う状況である。
 私の基本動作として、力んでいる人を見ると「ちょっと待て」と思ってしまうのだ。力んでいる人は暴走しやすい。例えば、著者が数学について、その勉強法や数学を学ぶ意義を解いている節で(その勉強法や数学の意義の説明も全面的に支持というわけにいかないのだが)こんなことを書いている(179ページ);
こうしてみると、なぜ現代人に「数学アレルギー」が多いのか、その本当の理由が見えてくる。人間の欲望を許さない「正しさ」に、わがままな現代人は拒否反応を起こしているのだ。本当は現代人は数学が分からないのではなくて、分かりたくないのだ。みんな、バブル経済であれ、ネズミ講であれ、自分の欲望を甘美に刺激してくれる詐欺に引っかかりたい、と無意識に思っているのである。
ここまでいわれると「数学アレルギー」の人たちの立つ瀬がないというものだ。(^_^)著者は力が入り過ぎて自分がどこを走っているのか分からなくなっているようだ。

 とまあ、天の邪鬼で素直じゃないと自他ともに認める私がこのような本を読むと、もうワンフレーズごとに文句をタラタラ述べてしまう結果となる。初めに述べたようにタイトルは抜群にいいし、狙った方向性も悪くないと思うだけに惜しいなぁと感じるのである。
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by hiroi22 | 2007-05-10 00:02 | じっと思う

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