ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


by hiroi22

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ポアンカレ予想

 今朝の朝日新聞の第2面の「時々刻々」というところに「ポアンカレ予想」解決の話が載っていた.「ポアンカレ予想」というのは「基本群が自明な(=単連結な)多様体はn次元球面に限る」という現代数学において未解決であった予想の一つだが,一般に有名なフェルマーの最終定理に比べると地味な印象は免れない.実際に,この予想の意味をわかりやすく一般向けに語るのは難しい.だから,朝日新聞の第2面にこれが掲載されていることにちょっと驚いたのだ.
 この予想は最近(と言ってももう1年以上になるのではないかな)ロシアのペルレマンが解決したということになっている.正確には彼が証明したのはサーストンの幾何予想(任意の3次元多様体はよく知られた基本ピースに分解できる)であり,ポアンカレ予想はその幾何予想から従うのだ.いずれにしても数学界では,ペルレマンの仕事は,ワイルズのフェルマーの最終定理の当初の証明のように疑念が生じているわけではなく,もう解決は既定の事実という認識であると思っていたのだが,朝日新聞の記事はまだそこまでは断定していない書きっぷりだったのもちょっと意外であった.
 普通に考えると,2次元よりも3次元空間,3次元よりも4次元空間と,次元が上がるほど難しいものなのだが,このポアンカレ予想に関しては5次元以上の場合に,もうずっと前に最初に予想が解けてしまい,その後4次元も解かれて,最後に3次元の場合が残っていたのだ(2次元の場合はもっと前から知られていた).どうして高次元の場合が先に解かれたのかは,専門家でないので分からないが,ちょっと数学の世界の不思議さを感じるところである.
 不思議といえば,同じく大予想の「リーマン予想」だが,これはリーマンのゼータ関数の零点の分布に関するもので,素数の分布の研究に関係している.リーマンのゼータ関数というのは複素数を変数とする解析関数である.不思議なのは,解析学という微分・積分を元にしている分野が,整数論という分野に応用できるということだ.やや専門的になるが,解析学というのは,デデキンドの切断による実数の連続性公理を出発点としている.しかし,整数論は「一つ,二つ」と数え上げるものを基本としているので,「連続性公理」のような「人為的」なものとは無縁と思える.逆に言えば,「人為的」に構成されている解析学が整数論の道具となりうるのが不思議なところである.
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by hiroi22 | 2006-05-04 00:55 | ずっと思う

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