ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


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昭和30年代の幻想

 今朝の朝日新聞の文化欄に面白いコラムがあった。「美化される昭和30年代」と題するもので、最近映画や雑誌などの「昭和30年代」礼賛に疑問を呈したものだ。
 このコラムの論旨は、今の「昭和30年代ブーム」は当時の貧しさを漂白したもの、つまり単なるノスタルジーで、当時は経済的な情勢も今とは比べ物にならないし、元に戻れるわけはない、というものだ。なかなか視点は良いと思うし、個人的には、こういった世間の風向きに抗するような意見は好きな方なのだが、(プロの物書きに対して失礼だが)どうも論理の組み立てが甘い。
 限られたスペースなので説明不足はやむを得ないのかも知れないが、「若者よ 罠に落ちるな」と警告を発しているものの、その警告の論拠がはっきりしない。つまるところ、“当時はまだ日本全体に「伸びしろ」があったが、今はない。だから閉塞感があるので、元には戻れない。”と言いたいようだ。しかし、それでは余りに浅薄な観察で現状追認の見解ではないだろうか。こんな状況は日本に限らず、ほとんどの先進国で、年代の差はあれ、出現しているだろう。だから、「美化された昭和30年代」に対しての分析としては突っ込みが足りない。当時の産業構造から、昭和30年代の日本を現在のパキスタン並みというのも荒っぽい議論だ。そもそも、「罠」とは一体何を指しているつもりなのか、明らかではない。

 私は「昭和30年代礼賛」の映画も雑誌の特集も見てはいないが、今からその時代に戻ろうとは誰も思っていないだろう。そうではなく、当時の「良き時代」の「良き生活」を振り返ることで、そのflavorをこれから現代に加味したいと思っているのではないだろうか。格差が増大した時代の空気がそういう願望を引き起こしているのかも知れないが、すべてについて後戻りをしたいということではないだろう。
 このコラムが指摘しているように、今に比べると当時は貧しい日本だった。しかし、人々は家族を中心に肩を寄せて生きていたし、モノが無い不自由さは、ほんの些細な幸せを大きな喜びに変えた。こんなことに思いをはせると、社会の幸福にとって経済的な発展ととは何だろうと考えてしまうのだ。
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by hiroi22 | 2006-04-19 01:41 | じっと思う

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