ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


by hiroi22

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もの言わぬ人々

 桜の季節である。この綺麗な花を見ると日本は美しいと思う。しかし、この美しさとは裏腹に日本の実情はとんでもないように思える。
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 昨日の朝日新聞の朝刊に「分裂にっぽん(上)」という記事が載っていた。それを見ると今の日本国民の惨状が数字として浮かび上がってくる。この記事のデータによれば、2002年2月からの調査では、勤労者の可処分所得額、貯蓄残高ゼロ世帯数、生活保護世帯の割合、正社員・非正社員数、どれを取ってみても20〜15年前よりも悪化している(ただし、唯一改善されているデータがある、それは法人企業の経常利益だ)。もっといえば、貨幣価値の変動に左右されない貯蓄残高ゼロ世帯数、生活保護世帯数の割合は40年前よりも悪いのである(正社員・非正社員数は統計なし)。この記事の見出しは

“実感できない「好況」”

とあるが、確かにこの数字を見れば、この見出しも説得力を持つ。
 もうこの数字を見せつけられた段階で、3月24日の参議院予算委員会で小泉首相が「歴史始まって以来の豊かな社会だ」と述べていることが許せないのだが、記事の内容には怒りを通り越して暗澹たる気持ちになる。
 この記事では、低賃金で不安定なフリーターの多くが「人生を半ばあきらめたような感じ」であるという声を載せ、その非正社員数の増加は、労働法制の規制緩和という政策が原因だと指摘する。低賃金の非正社員を多様な職場で雇用できるようになった企業は、当然その恩恵を被る。しかし、企業が得た付加価値を賃金に回す割合はここ3年間下がり続けているという。つまり、儲けは労働者に還元されていないということだ。
 税制の面では、高所得者に対する所得税、住民税の税率は下がり、その他定率減税の廃止など、要するに「所得の再分配」という機能が大幅に後退している現状が述べられている。さらに株で得た利益の税率は10%で、預金利子の20%よりも低率であることを我々に喚起させている。つまり、庶民の貯金よりも株で儲けたお金が手厚い保護を受けているのだ。
 社会保障では、医療・年金で負担増、給付減が繰り返し行われてきている。これは前述の政策によって生み出された弱者を直撃する。
 いったい、この国は19世紀の原始資本主義の国なのかと思ってしまう。そんな気持ちに追い討ちをかけるのがこの話。
15年度に消費税率22% 財政審、長期試算を発表
 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は27日、歳出・歳入一体改革の議論の前提となる一般会計の長期試算を公表した。
 社会保障費などの歳出を削減せず、増税だけで財政を健全化するには、消費税率を現在の5%から2015年度には22%まで引き上げる必要があると指摘。逆に、増税せず歳出削減だけで財政再建を目指す場合は、15年度には26兆9000億円の歳出カットが必要と試算している。
 財政審は「歳入・歳出両面から改革を行う必要がある」と強調。「大幅な歳出削減を行うことは国民生活や国家の機能に大きな影響を及ぼす」として、消費税率の引き上げを含む増税が欠かせないとの考えを示した。
 昨年の郵政民営化選挙のアホさ加減に愛想をつかした自分としては、もうだから言わんこっちゃないとシニカルになってしまうのだけれど、この国に暮らしている限りこの状況からは逃げられないのだ。それと、このもの言わぬ国民を見ていると、ジョージ・オーウェルの「動物農場」の愚鈍な馬を思い出す。人間と手を組んだ豚に搾取される馬を。
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by hiroi22 | 2006-03-30 11:19 | じっと思う

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