ボーッと何かを・・・ 日々の考えの備忘録


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博士の愛した数式

 「博士の愛した数式」をようやく読んだ。“ようやく”というのは、地元の図書館で予約していたのだが、希望者が多く、なかなか借りることができなかったからである。数学がキーとなった小説で、たいそう評判が良い本だ。私自身、数学に関しては人並み以上の知識と経験はあるので、この小説に出てくる程度の数学には格段驚きもしない。そのせいだろうか、この小説の感想:
何が言いたいのか 私にはよく分かりません。
 たとえば、この小説の中で、次の式
d0007533_22171216.jpg
が重要な働きをする。これはオイラーの公式
d0007533_22131860.jpg
の特別な場合だが、確かにとても深くて重要な公式で、高等数学でこの公式を学んだ人間はいたく衝撃を受けるものだと思う。したがって、この公式に着目したのはけだし慧眼である(想像だが、誰か数学者のアドバイスがあったと思われる)。しかし、この式の意味とそれが小説中で果たす役割の関係が分からない。何故オイラーの公式なのか?

 この小説では、数学の”美しさ”というものが、通奏低音のように流れている。それは題名からも示唆されているし、物語の中でも頻繁に顔を出している。
 ところで、世の中に数学の公式・定理は数多いが、それを単なる道具として使うだけであるのならば、その本当の意味は分からない。その本当の意味を知る(or感じる)ためには、それなりの数学の素養・理解がなければならない。ところが、この小説の主人公である家政婦が(失礼ながら)この公式に対してそこまでの理解を持っているとは考えられない。また、持たすような設定はきわめて不自然である。
 なぜこのようなことを言うかというと、この小説で流れている”数学の美しさ”というのにうさんくささを感じるからだ。この小説でいう”数学の美しさ”というのは
難しそうで、ちょっと小粋な記号が並んでかっこいい!
というミーハーなものではないのかと思ってしまう。
 ミーハーなものが悪いとはいわない。特に数学のような学問に興味を持つ動機としては悪くない。しかし、この小説のような重い動機にするのは感心しない。このようなある種信仰に近い態度は数学の神秘化につながる。実際、この小説の中でしばしば「数学=美しい=神秘的」という捉え方を感じさせる。数学は第一義的には、決して神秘的なものではない。
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by hiroi22 | 2006-03-19 23:45 | じっと思う

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